壁施工中

お施主さま・工務店と現場にて打ち合わせ。壁面のボードが貼り上がって、床のフローリングも入りました。写真は全面可動棚になる予定のリビング壁面。レールを壁に埋め込んでいます。黄土色に見えているものはプラスターボード(石膏ボード、いわゆるPB)です。現代の住宅では内装をペンキで仕上げる場合も、クロスで仕上げる場合も、はたまた珪藻土や漆喰で仕上げる場合も大抵これが下地になります。このままでは継ぎ目が残ってしまうので、パテで目地を埋める作業を行っていきます。

PBはそれほど硬くないため、加工が簡単という点と、木のように収縮しない点、安価な点などメリットが多いのですが、反面、釘1やビスがきっちり刺さらないため、住む人にとっては割と「カスタマイズしにくい」壁です。昔の柱梁が見えている「真壁造」の場合は木に直接棚などを簡単に取り付けられますが、PBの場合はそう簡単にはいきません。最近の住宅では住んでから棚などを作って部屋をカスタマイズしていこう、という人はとても少ないと思います。それはこのPBによるところが大きいんじゃないかという気がします。

本当はPB用のビス(ボードアンカー)、というものをホームセンターで売っているので、重量物でなければ、簡単にPB面にでも施工できるのですが、何となくマニアックで難しそうな印象があります。もっと自由自在にカスタマイズしやすくて、なおかつ見た目もすっきりする仕上げがあれば、日本人の生活は変わるだろうなあと思います。