中古住宅インスペクター

際限なく増える空き家と建売住宅。一向に大きくならない中古住宅市場。我が国の歪んだ不動産市場の原因の一つは中古物件を購入する際のリスクが高すぎることにあります。売主や仲介業者から「まあ、大丈夫でしょう」と言われても、果たしてどこまで信用してよいものやら。新築では施工者の責任が問われる構造や雨漏りの瑕疵も、中古住宅では「現況優先」を盾に責任を負わすことが難しい。そういう状況を少しでも改善しよう、ということで数年前から注目されているのが「インスぺクション」です。

 

日本語では「購入前診断」などと言われますが、中古物件(マンション含む)を購入する際、売買契約の前に第三者である専門家が現況を調査し、建物のありのままを依頼主に報告する仕組みです。

 

良いもの建てて蓄えよう、がキャッチフレーズ?な当事務所ではリノベーションの案件も多く、以前よりこの仕組みに着目していましたが、ようやく講習など手続きを受けて、「国土交通省インスペクションガイドライン準拠・建築士会インスペクター」に登録することができました。

 

今までも中古物件のご相談では建物の状況を拝見して、床下やら天井点検口やらを覗いては状況をお施主様にお伝えしていましたが、もう一歩踏み込んで、家全体を調べてオフィシャルな報告書としてご提示することが可能になりました。

 

インスペクションの一般への認知度は30%程度ということですので、まだまだ単体で業務として行うケースは少ないと思いますが、戸建・マンションリノベーションでは物件選びの際の一つの判断基準として使って頂けるのではないかと思っています。