エレベーターかエレベータか。

以前、建築業界では「設計意図」、機械業界では「設計思想」という言葉を使うと触れました。もっと単純な違いとして、長音記号の使い方が建築系と機械系では異なります。

例えばelevator。

建築系では「エレベーター」
機械系では「エレベータ」

手元にある機械系の大学の教科書を見てもセンサーは「センサ」。アナライザーは「アナライザ」。メーターは「メータ」。機械屋さんは長音で終わらないことに頑固一徹なコダワリがあるのです。調べると電気系でもcomputerは「コンピュータ」。要するに工学の用語としては、長音記号を書かない言葉が正としてJISに定められているから、ということのようです。

建築も工学のはしくれとしての自覚をもって欲しいものですが、partitionのことを「パーテーション」という人が多発するぐらいなので、やれやれ、いい加減なものです。建築というジャンルは厳格な理系分野ではなく、思想であったり歴史であったり、文系分野にも広くまたがっています。その一端が長音記号の使い方にも表れているようで、機械・建築両方を学んだ身としてなかなか興味深いものがあります。