プロポーザル

広島中央警察署本通交番庁舎プロポーザル案

くらしこうばん

交番には24 時間365 日、悩み、傷つき、不安に苛まれた多くの人々が訪れる。人々が助けを求めているのは、粛々と業務を遂行する勤務員ではなく、同じ立場で悩みを共有できる一人の人間ではないだろうか。勤務員の中に事務的ではない素顔が垣間見えたときに、人々はやさしさや親しみやすさを感じ、不安の幾許かを和げることができる。交番は単なる受付窓口ではなく、勤務員と街の人々との交流の場であり多くの勤務員が寝食を営むくらしの場でもある。それらを隔離せずむしろ建築の主題として積極的に捉え、運用上のセキュリティを確保しながら「しごと」と「くらし」が近しい空間を設える。緑と光に囲まれ、人として毎日を過ごすことが出来る建築は、勤務員にとって快適であるだけでなく、利用者にとっても気軽で親しみやすい。勤務員のくらしや利用者との交流がまちなみににじみ出る交番は街のにぎわいの一部となり、通りに更なる活気を与えるだろう。

会議室から内部全体を見渡す。中間階に設けた大きなダイニング・キッチンを中心に執務空間と居住空間が中庭を介しながら連続的につながっている。

客溜まり正面。受付の向こうに勤務員たちのくらしが広がっている。住まいの縁側のように、生活空間の延長上に来客空間を設える。