設計のチェイス

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実測してきた手書き図面をCADでデータ化していきます。 リノベーション・リフォームでは新築時の図面が残っていないことが多いので、見える部分の寸法から、壁や天井の内部を推測して図面を作成します。

その建物を設計した人がどういったグリッドを敷いて設計しているのか、どの寸法をよりどころにつくられた建物なのかを考えながら図面を描いていると、「なるほど、ここをこうしたいからこの寸法。」とか「これはあまりよくないけど、確かに収まり上仕方ないな。」とか、さながら原設計を行った人と会話をしているような気分になってきます。

第3の敷地

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そろそろご相談から1年が経とうとしている奈良県五條市のカフェ&ケーキ店&美容室の計画。とうとう良い物件を見つけたとお施主様からご連絡をいただき、早速現地へ。

幹線道路や京奈和道のインターからも近く、立地のよい中古物件をリノベする計画です。中古ですが築年数も浅く、床面積もお手ごろでなかなか良さげ。計画に先立ってさっそく建物と敷地の実測を行いました。

 

今日の友達は巨大カメムシくん。自然が豊かなところです。

最も効率のよい四角形

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突然ですが問題です。

2辺の長さがa,bで面積がAの長方形がある。この外周の長さが最小となるa,bの値を求めよ。

 

a,bの長さに関係なく、面積が一定なら外周の長さも同じような気もしますが、正解はa=b=√A、 要するに正方形です。建築にあてはめて考えてみると、屋根勾配がないハコ型の建物なら、正方形の平面形状にすると最も表面積が少なくて済み効率的、というになります。

建築のローコスト化については延べ床面積の大きさばかり問題になりますが、実は表面積の大きさもかなり大きな要因です。敷地の形や方角、接道条件、法規制など、複雑な条件が関係しますので一概には言えませんが、あまり細い建物にすると同じ床面積でもコストが上がる方向、ということになります。細長い建築ほどデザイン的には面白いものをつくりやすいので、設計する側としても悩ましいところです。

 

【高校生並み証明】

A=abよりb=A/a
外周長さは
2a+2b=2a+2(A/a)
=2(a+A/a)
相加平均・相乗平均の関係より
a+A/a≧2√(a・A/a)
⇔a+A/a≧2√A
等号成立はa=A/aの時⇔a=√Aのとき (このときb=√A)
よって外周長さ
2a+2b≧4√A
最小となるときのa=b=√A

こんなもんでしょうか。。

アイランドキッチンのプランニングいろいろ

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アイランドキッチン。キッチンと壁面を切り離して、LDKの中にキッチン空間を組み込めばLDKが大きくなって、キッチンも単なる作業空間じゃなくなって良いんじゃないか、という考え方です。今ではメーカー製のシステムキッチンでもアイランド型がたくさん出ていますので、一般にもよく知られています。われわれ設計事務所でキッチンをつくる場合には、キッチンだけではなくてダイニングテーブルまで含めてつくってしまうケースが多いです。

■Fig1:一般的なアイランドキッチン~ダイニング一体型のイメージ

一般的なイメージとしてはこういうものでしょう。大きなすっきりしたカウンターがLDKに浮かんでいるイメージですね。もちろんつくろうと思えばつくれます。しかしキッチンはあくまで作業をするスペースですので、実際の使い勝手を考えると色々問題が出てきます。

 

■Fig2:実際的なアイランドキッチン~ダイニング一体型

キッチンは立って作業するところなので、そのカウンターの高さは85-90cmが適正です。一方テーブルは座って肘をついた時に無理な姿勢にならない高さが標準なので70cm+αが適正。そのためダイニング側とキッチン側でカウンター高さに15cm程度の段差がつきます。また、普通はコンロの上には強力な換気扇をつけますので、それが天井からぶら下がってきます。さらにコマゴマとした器具類と、冷蔵庫の置き場所も確保してあげる必要があります。

そう考えるとダイニング・キッチンにはかなり大きな空間が必要になることが分かってきます。

 

■Fig3:パントリーを設置した案

冷蔵庫やコマゴマとした器具類はあまり見栄えがよろしくないので、スペースに余裕があれば別室をつくって収めたほうが良さそうです。引き戸にしておけば普段は使い勝手も一直線型キッチンと変わりません。

 

■Fig4:あくまでアイランドにこだわる案

こんろの隣に冷蔵庫を置き、その周囲を壁で囲ってしまう形もあります。レンジフードをアイランド型ではなく壁付け型にできるのでコストは幾分抑えられます。デザイン的には、あまりすっきりしません。

■Fig5:シンク・コンロ分離案(ダイニングとコンロ一体)

キッチンのコンロとシンクを切り離す計画はとてもスタンダードですが、やはりメリット・デメリットが付きまといます。シンク廻りを切り離せばダイニングカウンターは全体を高さ70cmですっきりつくることができます。しかしカウンター上にレンジフードが出てきます。(床引き型のレンジフードを使うという手もありますが、まだ一般的ではないですね)

 

■Fig6:シンク・コンロ分離案(ダイニングとシンク一体)

一方、コンロ廻りを切り離すと、カウンター上にレンジフードが来ないので上空はすっきりします。その代わりやっぱりカウンターには段差が必要です。

 

■Fig7:シンク・コンロ分離案(ダイニングとシンク一体なおかつカウンターは段差なし)

どうしてもカウンターに段差が欲しくない場合は、逆にキッチン廻りの床面を15cm程度下げてしまうという荒業も考えられます。若干使い勝手は悪くなりますが、キッチン自体の収まりは格段によくなります。

 

■Fig8:おまけ。最近のはやり。

細長いダイニングキッチンではなく、ほぼ正方形の形につくって大きな机をみんなで囲む形が多くなりつつあります。カップル同士で喫茶店に行くとき、対面で食べるより、90°向かい合って食べるほうが親密度が上がるともいいますし、こういう形は食事が楽しそうな感じはします。ただカウンターの段差、冷蔵庫、レンジフードの問題はやっぱりどうにかして解決しなければいけません。

シンプルそうに見えるアイランドキッチンですが、使い勝手を考えるとなかなか難しいものです。ちゃんと設計されている場合はこれらのどれかになっている場合がほとんどです。それ以外の場合は、座面の高い椅子を使うとか、レンジフード無しにしてしまうとか、どこかやせ我慢してるんだなぁということですね。

当事務所で設計する場合は基本的にはやせ我慢しない形で考えます。お施主さまが「ミバ優先で!」と言われる場合には、もちろん喜んで対応させていただきます。

ゴトクとは。

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ガスキッチンの設計をしていると、「ゴトク」という耳慣れない単語が良く出てくることに気付いて調べました。
・・如く?
いや、五徳です。
たまに取り外して洗う、あれです。ガスコンロの足。五つの徳。なんだか曰くありげな言葉です。

wikipediaによると。
五徳は初めは3足で、輪を上にして用いた。これは古くは竈子(くどこ)と呼ばれたもので、古代の鼎に由来するものである。五徳が発生したのは安土桃山時代と思われる。すなわち、茶道の始まりと共に室内で用いる小型の炉「茶炉」又は「風炉」があらわれ、この時竈子を今までとは逆にし、爪を上にして使われるようになった。これにより「くどこ」を逆にして「ごとく」と呼び、五徳の字を充てたものである。
ううむ。。予想を凌ぐ奥深さ。
さらに続きます。
「丑の刻参り」という、人を禍に陥れる呪術において、五徳は儀式の上での道具であった。五徳を頭に被って、そこにロウソクを立て、白装束を身に纏うといったいでたちで、丑の刻(深夜)に神木のある場所に出向いて、結界を破るために釘を打ち込み、牛などの姿をした妖怪を呼び出したといわれる。
TVなどでよく?ロウソクを頭に立てる場面を見かけますが、あれは直接頭にロウソクを巻き付ける訳ではないんですね。
どこのご家庭にもあるゴトクですが(オール電化じゃなければ・・)、実はなんだかすごいモノのようです。コンロといえ、ゴトクといえ、ガス(瓦斯)製品は、割とレトロな語彙が残っていて、大変面白いです。