建築条件つきの計画

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奈良県生駒市から相談を頂き、さっそく敷地調査に向かいました。生駒市の北部は最近近鉄の新線も開通し、住宅の建築ラッシュが続いています。ただ、ハウスメーカーが開発・建築を独占的に行っている地域も多く、われわれ建築家の出番はなかなかありません。今回の敷地はハウスメーカーの開発地ではないものの、いわゆる『建築条件付き』土地です。

 

建築条件とは、土地を買うときにその土地に建てる建築設計・施工業者を売主が制限する仕組みです。土地を売れば建築も儲かる。そんな不動産会社にとっては夢のようなシステムなのですが、かっこいい家をつくりたいと考えるお施主さまにとっては邪魔もの以外の何者でもありません。そんな恐るべき建築条件ですが、実は交渉で緩めてもらえる場合があります。

 

今回のお施主さまもありきたりな売り立て住宅ではなく、好みの住宅を建てたい!という一心で不動産会社・開発会社との交渉の末、建築のデザインについては外部に任せても構わない、という確約を取り付けたそうです。

 

しかしその代わり、設計に許された期間は短く、素材や設備の制約もあり、建物にかけられる費用も限られています。非常に難しいです!とご説明したものの、切羽詰ったお施主さまの熱い想いに負け、何とかプランを練る事になりました。

 

 

設計契約は請負契約?準委任契約?

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ちょっとお堅い話です。

東京高裁が「設計監理契約は請負契約である」との判断。

この裁判自体は、ある設計事務所が建物を設計したら当初予定の2倍近くの見積りになってしまった。お施主さんは設計契約を破棄し、先に払っていた設計料を「全額」返還するよう求めた、というものです。高裁の判決は原告勝訴。被告は最高裁に上告したものの棄却されたそうです。一般的には何のニュースにもなりませんが、これは一大事です。我々設計者にとっては正に死活問題です。

従来は設計監理契約は「準委任契約」とみなされてきました。そのため計画が途中で頓挫しても、そこまでの成功報酬は認められました。しかし「請負契約」は依頼物の完成によって成立します。途中で計画が頓挫した場合、報酬を受け取ることはできません。

「準委任契約」として代表的なものには、病気の治療を依頼する契約があります。例えば病気になって病院にかかる。しかしその病院では全然症状が改善せず、他の病院をあたることにした。もしもその病院がヤブ医者だったとしても、治療費を全額返せ、ということにはなりません。それは医師に治療を依頼する、という行為が「業務の実施を受任者を信頼して委託する契約」だからです。本来自分でするはずの「治療行為」を、その道の専門家に任せたほうがよさそうだから委任する、という状態です。任せて業務に当たらせること自体が報酬の対象となるので、もし治療がうまくいかず患者が亡くなっ ても、特別なミスがなければ治療費は当然の如く請求されます。

一方、「請負契約」として有名なものは、建設会社と建て主との工事 請負契約があります。請負契約では、あらかじめこれだけの金額で、期間で、これだけのものをつくります、という取り決めがあって成り立ちます。従ってそれに違反すれば債務不履行になり、損害賠償を請求できます。

建築における設計監理契約をこの請負契約に嵌めてしまおう、という考え方がそもそも無理がありすぎます。ハウスメーカーや建売など、すでに作るものが確定している場合(認定型式)、そして設計者と施工者が一体となっている場合であれば、ある程度何をどれだけの金額・期間でつくるか、まで事前に含めた設計契約が可能でしょう。しかし我々が行っているような、きめ細かい建築設計ではそういうことは不可能です。それぞれのケースに応じてできる限りベストと思われる選択をその都度行い、最終的に一つの建築にまとめ上げます。作るものは、はじまりの契約の時点では決まっていません。

むしろ、設計者を「信頼」するから、いいものをつくって下さいな、という「委任」があってはじめて我々はお施主様の代理として役所や数々の業者と折衝に勤しむことができるのです。お施主様から信頼され、委任されているからこそ、建築士法に定められた「設計業務」以外の業務、即ち現場調査、模型・CG作成、役所協議、確認申請、見積り調整、施工業者選定補助なども、全てボランティアで行うことができるのです。そして、設計と施工が分離した立場にあるからこそ、100%お施主様の味方となって厳しくコスト管理・現場監理ができるのです。

最高裁判決ではないにせよ、この判決は非常に大きな意味を持ちます。オーダーメイドの建築作りを国が志向していないと宣言してしまった以上、わが国の建築設計は、間違いなく「相談⇒設計」から、「設計⇒相談」へとシフトしていくと思われます。
これは私が常日頃から考えているシステムにもつながりますが、設計者は土地の条件やお施主さんの要望以前に、デザインのビジョンを持たなければいけないのです。土地の形に合わせて建築の形を決めました、お施主様の要望どおりつくったら予算をオーバーしました、で済む時代は終わったのです。むしろ造りたい設計・建築をプレゼンテーションすることによって、先にデザインが明らかにされ、それに賛同して頂けるお施主様を募る、そのような形のほうがこの先有望ではないか、と。それは設計者にとってもお施主様にとってもハッピーなあり方ではないかと考えています。

大阪の建築めぐり:大丸心斎橋本館

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年末商戦でにぎわう御堂筋。関西人ならおなじみの風景ですが、この大丸の建物は実は結構有名な建築です。

 


この建物の最大の面白さは、踊り場をスキップフロア的に利用した階段室と1階~中2階の吹き抜けだと思います。竣工が1922年ですから、当時としては相当斬新だったんじゃないでしょうか。今でもとても気持ちいい空間です。個人的にもとても思い入れのある建築で、小さい頃、親に連れられて行くたびに、なんかここ面白くて好き、みたいな感覚があったことをよく覚えています。もちろんヴォーリズの事ことなど全く知らなかった訳ですが、今から思えばはじめて「建築体験」をした場所の一つ なのかなあという気もします。

 

空襲であたり一面焼け野原になった中、このビルだけ残っている写真を見たことがあります。特別頑丈だったからか、ラッキーだったからかよく分かりませんが、 いずれにせよよく残ったものです。その後の保存もとても良好ですし、後から建った隣の村野藤吾設計・旧そごうが先に解体されていることを思えば、とても幸運な建築クンです。

 


踊り場のニッチに水のみ場。こういう感覚は今の商業建築にはないですねぇ。まだまだ永く残ってほしい建築です。

レゴとダイヤブロックの建築家的な比較

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レゴから20世紀を代表する建築家フランク=ロイド=ライトの名作、グッゲンハイム・ミュージアムと落水荘(Falling water)が出るそうです。写真を見る限り、若干微妙な出来栄えではありますが・・・一建築家としては、少し、欲しいような。グッゲンハイムは別として、確かに一時のライトはレゴ的ですし・・・。

旧山邑邸[芦屋市 | フランク・ロイド・ライト設計]
それはさておき、ぼくはレゴは小さい頃から今まで一度も買ったことが、また買ってもらったことがありません。親戚の子が持ってたので辛うじてそれで遊んだことはありますけど。というのは我が家はダイヤブロック派だったからです。
ダイヤブロックはレゴのまがい物のように思われる方もいるかもしれませんが、全く似て非なるものです。コンセプトがかなり違う。レゴの基本姿勢は、ある完成形があって(つまり箱に描いてあるもの)その部品を過不足なく組み立てていく、という考え方。凸凹がないパーツやななめのパーツ、極小のパーツもどんどん出てくる。それに対してダイヤブロックは、基本的には「積み木」です。完成形はあんまり意識されてない。ある一つのゴールに向かうのではなく、作り手(つまり子供ですが)が何を作るか考えないといけない。ある比較サイトによれば、
・レゴのほうがカチッとはまる。ダイヤブロックはそんなにしっかりパーツがはまらない。
・レゴは基本ブロックの比が3:4、ダイヤブロックは1:2
確かにこれは実際そうだった記憶があります。


ブロックの接合の強さは、まさにコンセプトの違いをよく表しています。レゴは基本的に1度組み立てれば完成、あとは展示品になるのでしっかり固定する必要がある。ダイヤブロックは積み木的なので遊ぶのが終わったら全部バラして、また入れ物に戻して片付ける。
ブロックの縦横比の違いは実際、かなり創作に影響を及ぼしていたはずです。つまり縦横の使い分けによってダイヤブロックは簡単に正方形をつくることが出来る。それによって子供ながら出来栄えのプロポーションというか、要するに「おお、なんとなくカッコよくなった!!」みたいな感覚で遊べたように思います。うまく出来たらバラさず次の日まで置いて眺めたり。
やまもとは特にブロック遊び大好きっ子だったので・・・別に友達が少なかった訳ではありませんが・・・朝から晩までダイヤブロックで遊んでいました。縦横に積んだり、斜めに積んでみたり、角のひとコマだけ積んで、可変式にしてみたり…。一つのものを作るなら完成度はレゴに遥かに及びませんが、一つの部品の集まりで何でもつくれる、ブロックが何にでも変われる、という自由度はダイヤブロックのほうが勝っていたように思います。
そういえば幼い頃、レゴを親にねだった事がなかったのは、なんとなくそういう不自由さが嫌だったのかもしれません。(注:もちろんレゴにも用途が決まってないシリーズ、ダイヤブロックにも用途が決まっているシリーズはあります)

大阪の建築めぐり:住吉の長屋

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近くに行ったので久々に立ち寄りました。

 

風化していた打放しコンクリートが綺麗になっていてびっくり。最近は打放しコンクリートをリフレッシュする技術もずいぶん向上していますね。

 

住吉大社界隈。建設当時の写真とは随分風景が変わってますが、下町風情を残す町並み。チンチン電車に住之江競艇。良いところです。