溶融亜鉛メッキ工場の見学

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建築士会の勉強会で溶融亜鉛メッキの工場へ見学に行ってきました。

 


溶融亜鉛メッキとは、鉄製品の錆の劣化を防ぐために表面を亜鉛でコーティングする技術のことで、「スパングル」と呼ばれる色むら模様が特徴です。

 

(亜鉛鍍金工業会資料より)

およそ400℃に溶かされた亜鉛の窯に鉄を浸けてメッキ処理を行う様子はさながら巨大なチーズフォンデュのようで、これだけ大きな具材で出来たらなー。と妄想しながら見学していました(笑)

 

メッキ処理に至るまでに様々な下処理と検査の工程があり、何気ない部材の一つにも多くの人の手間と労力が掛かる事を実感できて、とても勉強になりました。見学させて頂いた工場の皆さま、ありがとうございました。

 

風呂リモコン位置はどこが良いでしょう。

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よくある洗面室+ユニットバスの間取りです。

通常、お風呂の追い炊きやお湯の温度調節のために、浴室内の壁面に「風呂リモコン」を設置しますが、最も適切な位置はどこでしょうか。

施工業者さんに何も指定しなければ、上図の①か②の位置になります。風呂の中だけの操作であればそれほど問題はありません。強いて言えば、②は入浴しながらリモコンを見つめ続けなければいけないので、①のほうが優れているかもしれません。

しかし、現実的には風呂リモコンを操作したいタイミングは入浴中だけではなく、洗面室でお湯を使いたい場合もかなりの割合を占めています。①②では、洗面室でお湯を使いたい時に浴室内に足を踏み入れてスイッチを入れなければなりません。最近はユニットバスの床材も改良されて乾燥しやすい素材が増えてきましたが、夜遅くに入浴してその次の朝に洗面室を使う場合などには、やはり完全に床が乾ききっていない場合が多く、風呂リモコンのスイッチを入れる度に足の裏が濡れてしまいます(それが嫌ならゴム靴のようなものを履く必要があります)。

そういう訳で、私たちの事務所では③の位置を推奨しています。風呂リモコンは入浴中に操作しなければならないため浴室内には必要ですが、なおかつ洗面室からも足を踏み入れなくても操作できる位置がベストではないかと考えています。扉の近くに設置すれば、浴槽に入った時の後頭部とも干渉しませんし、視界からリモコンが消えることで①よりさらに浴室内がすっきり見えるメリットもあります。

「建蓄」について

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皆様から必ず一度はご質問を頂く我々の事務所の名称は、山本嘉寛建”蓄”設計事務所が正式です。決して間違いではありません。大阪府へ届け出ている一級建築士事務所の登録名称も、税務署に届け出ている屋号も、「蓄」の字を使用しています。

古来より、我が国で建物をつくる意味で使われてきた言葉に「普請」があります。普く(あまねく)請う(こう)、たくさんの人々にお願いして力を借りること、がそのまま建物をつくる意味になる。なかなか素晴らしい言葉ですが、現代では「普請道楽」や「安普請」など、どちらかというとマイナスの意味として使われるようになってしまいました。

明治時代に、西洋からarchitectureなる概念が日本に入ってきた当初は、その訳としてまず「造家」いう言葉が生まれました。しかし造るべきは何も家だけではなかろう、ということで徐々に「建築」という言葉が優勢になりました。造家学会が建築学会に名前を変えたのが1897年、何でも伊藤忠太先生の「アーキテクチュールの本義を論じて其の訳字を撰定し我が造家学会の改名を望む」という論文の影響が大きかったそうですが、それから100余年下って、新しいものをどんどん作ることが我々設計者の主題ではない時代がやってきました。これからはスクラップ&ビルドではなく、よりよい空間をつくってそれをストックしていくことが求められています。そういう時代には「建てる」と「築く」、つまりひたすら建て続ける、ではなく、「建てる」「蓄える」のほうがふさわしいのではないか、と考えて「建蓄」と当てた訳です。

時には雑誌や郵便物などに”山本嘉寛建畜設計事務所”と記載されて心が折れそうになりますが、(○蓄 ×畜)たくさんのお施主様から「これは良いネーミングだから続けたほうがよい」と温かい励ましのお言葉を頂戴し、設立以来ずっと使い続けています。(写真は本文とはあまり関係ないですが伊藤忠太設計・西本願寺伝道院)

DIYからDIMへ

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近頃DIYという用語もすっかり身近なものになりました。雑誌・TVで特集が組まれ、ホームセンターの折込チラシには必ずといって良いほどこの用語が踊っています。「自分でできることはプロに頼まず自分でやってみましょう。」「出来は多少悪くても自分だけが使うので問題ありません。」「ちょっとした工作も楽しいですよ。」「おまけにコストも大幅に圧縮できてお得です。」という誰もが納得の触れ込みですが、では果たしてDIYによって、多くの方々が創造力を発揮し、身近なものづくりにチャレンジする社会が到来したのでしょうか。
DIYとは皆様御存知の通り、Do It Yourself. の頭文字です。一見何の問題もなさそうですが、少し立ち止まって考えてみると、「自分」に対してmyselfではなくyourselfが与えられていることに気が付きます。つまり、自分で出来ることは自分でやろうぜ、と呼びかける「私」が居て、その呼びかけに応えて工事を行う「あなた」が居る。メディアやホームセンター、家具量販店である「私」が、「これとこれを買えば手軽につくれますよ。」「このパッケージに入った部材を組み立てれば出来上がりますよ。」と「あなた」を誘導し、組立費をコストダウンしながら商品に付加価値を与える実に巧みな販売戦略であるということが分かります。
一方で、ごく一部のクリエイター層にはすっかり浸透した「セルフリノベーション」という用語があります。だれも買わないような中古の不良物件に価値を見出して、自分たちの力で好きなように改造する。誰から頼まれた訳でもないので、そこにはmyもyourもありません。ゼロの状態から新しい空間を創造する魅力がある一方、完成形が見えないものづくりは苦難の連続です。私のような設計を生業とする者ですら二度とやりたくないと思うのですから、一般の方々にとって非常にハードルが高い行為であることは間違いありません。
この極端な2つのムーブメントをもう少し緩やかに結びつける何かを作れないか、という事は、私が独立して以来ずっと考え続けているテーマです。DIYは手軽である反面、あらかじめ完成形が定まっているために作り手の創造力が刺激されません。セルフリノベーションは思う存分創造力を発揮できますが、身を捧げる程の覚悟がないと踏み込めません。作り手の創造力を刺激しながら、手軽なツールとして用いることができる何か。DIYをDIM (Do it myself) に換えられる何かを作れないか、少しずつですが試行錯誤を行っています。

アレルギーと住まい

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先日、住宅のアレルギー対策について文章の依頼を頂きました。シックハウスやハウスダストといった言葉もすっかり浸透し、住環境が体に何らかの影響を与えるという事もここ10年ほどですっかり常識となりました。


ただ、(特に大人の)アレルギー疾患はたくさんの要因が複合的に関係して起こります。住宅に使う建材も確かに要因の1つですが、揮発性有機化合物(VOC)を含まない建材のみで住宅を作ったからといって、即その日からアレルギーが無くなる訳では決してありません。建材でアレルギーが解決するというのは単なる神話であり、マスコミや建材メーカーの妄言です。


建材のVOC含有量は建築基準法に定められた基準値がありますが、そこに置く家具や什器については特に基準がありません。過敏な方なら、電化製品から発散される微量の化学物質からでも影響を受ける可能性がありますが、現代では完全にVOCを払拭した生活を実現することはほとんど不可能です(有機栽培の野菜といっても、100%化学物質を含まないものを望めば、土壌や水、果ては空気まで拘る必要があるのと同じです)。従って、どのレベルまで許容するのか・制限するのか、という線引きが必要になりますが、もしお困りの方が「VOCが原因でアレルギーになっている」と固く思い込んでいれば、(もし実際に影響が微量でも)それがストレッサーとなってアレルギーを誘引するため実に厄介です。完璧・潔癖主義に対しては精神面のケアが避けて通れません。


また、住まいのアレルギー対策としてはVOC含有量に目を向けると同時に、生活習慣をいかに改善するか、という視点も必要です。自律神経の働きがアレルギーに大きな影響を及ぼすことはよく知られていますが、日の当たらない部屋の中で一日中篭った生活を送っていると自律神経の働きに狂いが生じ、アレルギーや不眠症の要因となります。寝室やダイニングに自然光、特に朝日を十分に取り入れることができる設計を行い自立神経の調整を助けることも、見落としがちですが我々が手助けできる重要なアレルギー対策の一つです。