プレゼンテーション

Posted カテゴリー: '10-11引き算の家


デザイナーご夫婦のためのマンションリノベーションです。


使い勝手の悪かった60㎡程の中古マンションを一部改造、3LDK⇒2LDKへ変更して大きなリビング空間をつくります。


予算が限られているので、できるだけ複雑なことはせず、設計されたコンパクトな空間をシンプルに、ホンモノの素材でつくる設計を行いたいと思います。

香川の建築めぐり:李禹煥美術館

Posted カテゴリー: 香川


最近できた李禹煥(ウーファン)美術館です。地中美術館から歩いて10分ほどのところにあります。

 


アプローチ

 


階段の際ディテール。綺麗。

 


ここもすごい人です。

 


ファサード壁面の前。

 


李氏の作品。

 


アプローチ床ディテール。白い小石を固めて、切りっぱなしにしています。とても綺麗。

 


コンクリートのパッセージが続く。残念ながら内部は撮影不可でした。

 


敷地から海まで草原が広がっています。ちょうど谷間になっていて対岸の四国が見えますが、ちょうど高松辺りの工業地帯が見えない貴重な場所です。

 


海岸まで出てみました。向こうに見えるベネッセミュージアムしかなかった頃に、雑木を踏み分け確かこの浜辺まで歩いてきました。それから10年後、こうしてここに立っているのはなんだか不思議なものです。

建築条件つき設計

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開発が進むニュータウンに設計した住宅です。大規模なニュータウンでは、開発業者が土地と建築を抱き合わせで販売する、いわゆる「建築条件付き」物件が主流です。土地を売れば、自動的に建築も売れるというすごい商法です。
一方で我々設計者にとっては、施工業者が先に決定した後で依頼されることになるので、満足がいくように力を発揮できないケースが多く、当事務所でも数件「建築条件付き」に泣かされた経験があります。
今回も建築条件付きの物件でしたが、お施主さんのがんばりで設計を一任して頂けることになりました。施工業者との調整が大変ですが、建築条件の制約の中でどれぐらいデザインの余地があるのか計る契機になればと思っています。

建築条件つきの計画

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奈良県生駒市から相談を頂き、さっそく敷地調査に向かいました。生駒市の北部は最近近鉄の新線も開通し、住宅の建築ラッシュが続いています。ただ、ハウスメーカーが開発・建築を独占的に行っている地域も多く、われわれ建築家の出番はなかなかありません。今回の敷地はハウスメーカーの開発地ではないものの、いわゆる『建築条件付き』土地です。

 

建築条件とは、土地を買うときにその土地に建てる建築設計・施工業者を売主が制限する仕組みです。土地を売れば建築も儲かる。そんな不動産会社にとっては夢のようなシステムなのですが、かっこいい家をつくりたいと考えるお施主さまにとっては邪魔もの以外の何者でもありません。そんな恐るべき建築条件ですが、実は交渉で緩めてもらえる場合があります。

 

今回のお施主さまもありきたりな売り立て住宅ではなく、好みの住宅を建てたい!という一心で不動産会社・開発会社との交渉の末、建築のデザインについては外部に任せても構わない、という確約を取り付けたそうです。

 

しかしその代わり、設計に許された期間は短く、素材や設備の制約もあり、建物にかけられる費用も限られています。非常に難しいです!とご説明したものの、切羽詰ったお施主さまの熱い想いに負け、何とかプランを練る事になりました。

 

 

設計契約は請負契約?準委任契約?

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ちょっとお堅い話です。

東京高裁が「設計監理契約は請負契約である」との判断。

この裁判自体は、ある設計事務所が建物を設計したら当初予定の2倍近くの見積りになってしまった。お施主さんは設計契約を破棄し、先に払っていた設計料を「全額」返還するよう求めた、というものです。高裁の判決は原告勝訴。被告は最高裁に上告したものの棄却されたそうです。一般的には何のニュースにもなりませんが、これは一大事です。我々設計者にとっては正に死活問題です。

従来は設計監理契約は「準委任契約」とみなされてきました。そのため計画が途中で頓挫しても、そこまでの成功報酬は認められました。しかし「請負契約」は依頼物の完成によって成立します。途中で計画が頓挫した場合、報酬を受け取ることはできません。

「準委任契約」として代表的なものには、病気の治療を依頼する契約があります。例えば病気になって病院にかかる。しかしその病院では全然症状が改善せず、他の病院をあたることにした。もしもその病院がヤブ医者だったとしても、治療費を全額返せ、ということにはなりません。それは医師に治療を依頼する、という行為が「業務の実施を受任者を信頼して委託する契約」だからです。本来自分でするはずの「治療行為」を、その道の専門家に任せたほうがよさそうだから委任する、という状態です。任せて業務に当たらせること自体が報酬の対象となるので、もし治療がうまくいかず患者が亡くなっ ても、特別なミスがなければ治療費は当然の如く請求されます。

一方、「請負契約」として有名なものは、建設会社と建て主との工事 請負契約があります。請負契約では、あらかじめこれだけの金額で、期間で、これだけのものをつくります、という取り決めがあって成り立ちます。従ってそれに違反すれば債務不履行になり、損害賠償を請求できます。

建築における設計監理契約をこの請負契約に嵌めてしまおう、という考え方がそもそも無理がありすぎます。ハウスメーカーや建売など、すでに作るものが確定している場合(認定型式)、そして設計者と施工者が一体となっている場合であれば、ある程度何をどれだけの金額・期間でつくるか、まで事前に含めた設計契約が可能でしょう。しかし我々が行っているような、きめ細かい建築設計ではそういうことは不可能です。それぞれのケースに応じてできる限りベストと思われる選択をその都度行い、最終的に一つの建築にまとめ上げます。作るものは、はじまりの契約の時点では決まっていません。

むしろ、設計者を「信頼」するから、いいものをつくって下さいな、という「委任」があってはじめて我々はお施主様の代理として役所や数々の業者と折衝に勤しむことができるのです。お施主様から信頼され、委任されているからこそ、建築士法に定められた「設計業務」以外の業務、即ち現場調査、模型・CG作成、役所協議、確認申請、見積り調整、施工業者選定補助なども、全てボランティアで行うことができるのです。そして、設計と施工が分離した立場にあるからこそ、100%お施主様の味方となって厳しくコスト管理・現場監理ができるのです。

最高裁判決ではないにせよ、この判決は非常に大きな意味を持ちます。オーダーメイドの建築作りを国が志向していないと宣言してしまった以上、わが国の建築設計は、間違いなく「相談⇒設計」から、「設計⇒相談」へとシフトしていくと思われます。
これは私が常日頃から考えているシステムにもつながりますが、設計者は土地の条件やお施主さんの要望以前に、デザインのビジョンを持たなければいけないのです。土地の形に合わせて建築の形を決めました、お施主様の要望どおりつくったら予算をオーバーしました、で済む時代は終わったのです。むしろ造りたい設計・建築をプレゼンテーションすることによって、先にデザインが明らかにされ、それに賛同して頂けるお施主様を募る、そのような形のほうがこの先有望ではないか、と。それは設計者にとってもお施主様にとってもハッピーなあり方ではないかと考えています。