石ヶ辻町の計画

Posted カテゴリー: 3.Idea

大阪市天王寺区石ヶ辻町。。。事務所徒歩2分のところにある新プロジェクトの敷地です。特区民泊利用を想定した集合住宅の計画。現在まだ古い建物が建っている段階ですが、とりあえず付近の様子を調査しています。ふだん何気なく通っていている場所でも、つくり手側の視線で見るといろいろな発見があってなかなか楽しいものです。

 

敷地境界探し。側溝蓋を持ち上げてようやく発見!

 

既存建物の2階からの眺め。南向きで大きな道路と並木のグリーン。なかなか贅沢な立地条件です。気持ちの良い空間になりそうです。

 

 

言葉が紡ぐ空間

Posted カテゴリー: 5.Diary

神戸松蔭女子学院大学の今期授業が終了しました。最終日はプレゼンテーションと課題の提出です。昨年度はデータのみの提出だったんですが、せっかくの実習授業で成果物がないのは味気ない、ということで今年は思い切って建築模型を盛り込んでみました。

神戸市内にある某ホテルのスイートを下敷きに、学生それぞれのテーマに沿ってインテリアの設えを考えています。インテリア・コーディネートの授業ですが、小手先の家具選びではなく、床・壁・天井の仕様、建具、設備機器、照明と、インテリアを全般的にデザインする試みです。インテリアデザインといっても全くはじめての学生たちには取っ掛かりがないので、まずテーマとなる「言葉」を考え、次にその言葉から連想される空間を画像系SNSで拾い集めて傾向を分析し、イメージを膨らませるプロセスに時間を割いています。その成果か、出来上がった空間は千差万別、百花繚乱。予想以上にバラエティに富んだ作品群になりました。

 

ベースプランは共通なんですが、天窓があったり、2階建てになっていたり、和室と縁側が出現したり、と非常に個性的な発展を遂げています。小さな小物まで作り込んだ渾身の作も魅力的ですが、サクっと作っているのに空間の明確なイメージが湧く作品も魅力的です。

 

 

ちなみにやまもと作成の模範例。ここはさすがに負けられません。がんばりました。

 

せっかくつくった課題なので、内輪で盛り上がるだけではもったいない、ということで学内に展示して頂けることになりました。3月に行われるオープンキャンパスでも展示される見込みです。来年度はさらに楽しいことにチャレンジできればと思っています。

一年点検と新たな計画

Posted カテゴリー: '19-昭和小路の長屋 II

昨年1月に竣工した京都六原の『昭和小路の長屋』。一年点検に伺いました。賃貸物件なので残念ながら内部の写真はありませんが、砂利と土間だけだった南北の坪庭には凛とした雰囲気の鉢植えが入り、居間スペースには炬燵と仙徳の火鉢(雰囲気を壊すからとTVは無し)、靴収納の予定で設計した半オープン棚は茶器が並ぶ立派な水屋になっていて感激しました。私たちの設計は町家に取り付いた色々な垢を落とす作業だったので、そこに見事な設えが加わってようやく一つの京町家が出来上がったように思います。オーナー様・入居者さまに感謝、感謝。

 

さて、この「昭和小路」界隈にはまだまだ手付かずの長屋がたくさんあり、入退去のタイミングでもう一件リノベーションを行うことになりました。今日はその現地調査の下見も兼ねています。

前回よりも大きめの区画なので、比較的プランニングの制約は少ない雰囲気です。しかし建物の状態はやはり悪く、ジャッキアップや構造補強も必須、コスト調整は難航しそうです。

兵庫の建築巡り:武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)

Posted カテゴリー: 兵庫

神戸松蔭女子学院大学のインテリアの講義では、半期に一度、学外研修を組み込んでいます。今年度は西宮市にある武庫川女子大学の甲子園会館を見学させて頂けることになりました。今は大学のキャンパスとして利用されていますが、かつては甲子園ホテルという豪華なホテルで、東の帝国ホテル・西の甲子園ホテルと言われた程の存在です。東京の帝国ホテルは既に解体されていますので、極めて貴重な建築です。建築や歴史に造詣が深い大学の方に案内して頂きながら、贅沢な見学会になりました。

 

どうして今回この建築なのかというと、諸事情ありますが、見ての通りの理由が一番です。NHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」の撮影でつい最近使われたばかり。タイムリーなドラマのロケ地なら学生に興味を持ってもらいやすいのでは、いう策です。それはともかく、この中央の泉に射す5筋の光。

 

対面するハイサイドライトからの自然光です。冬至の日に光が的確に泉に落ちる設計ということで、冬至の少し前・かつ晴天だったこの日は、ほぼ理想的な状態でした。冬至の日には毎年見学会も開かれているそうです。

 

吹き抜けのあるラウンジ。左手に見える廊下から若干レベルを上げています。右手には松林。舞台が如き演出が見事です。さらにラウンジの下は厨房になっていて階上にサービスできる設計と聞くと、もはや唸るしかありません。厨房部分は現在、武庫川女子大学の建築学科のアトリエになっています。何とも恵まれた環境ですね。

 

ラウンジからつながるメインホール。2階のブリッジはオーケストラが入るスペース。舞踏会で山田耕筰がオーケストラを指揮したなど、伝説的な話がいくつもありますが、関西人なら「創立の翌年、チームの激励会で六甲颪(のオリジナルである大阪タイガースの歌)が初披露された場所」と聞くとその凄みが一番よく伝わります。

 


ホールの天井。アール・デコと和風の折衷。

 


ホール中央部の天蓋。元は金箔貼りだったそうです(現在はペイント)。金箔は成金イメージがありますが、金メッキと違って上品な輝きがあります。白黒写真しか残っていないため往時の姿は分かりませんが、きっと素晴らしい空間だったことでしょう。いつか復元してほしいものです。

小部屋のフロアタイル。大阪の豪華レトロ建築、綿業会館の談話室にあるタイルタペストリーと同じ、泰山製陶所の作品なんだそうです。どうやって貼ったんでしょうね、これ。

 

南側外観。東京の帝国ホテルや自由学園、芦屋の山邑邸はフランク・ロイド・ライトの設計とされていますが、実施設計ではその弟子である遠藤新が主要な役割を果たしています。旧甲子園ホテルの設計者はその遠藤新なので内容的にライト作品と遜色がなく、ライト自身も非常に評価していた記録があるとのこと(椅子は気に入らなかったそうですが)。シグネチャーモデルかどうか、ぐらいの違いですね。

 

屋根のアップ。建物全体に「打ち出の小槌」と「滴る滴」をデザインモチーフに様々な装飾がデザインされています。お金がどんどん沸いてどんどん滴る、いわゆるトリクル・ダウン。ライトの謎めいたマヤ風デザインが関西人の分かりやすい商売繁盛デザインに刷り替わっていて痛快です。

 

ライト印の細密な外壁意匠。山邑邸と違ってこの建物では大谷石を使っていないので、100年近く経っても比較的状態は良好です。

 

そんな感じで甲子園会館の見学は終了。その後、松林を挟んで建っている建築スタジオ棟も見学させて頂くことができました。設計は日建設計。こちらはまだ新しい建物です。

 

うちの学生たちはバリバリの建築学科ではないので、大きな模型や図面が所狭しと並ぶカオスな建築学科の雰囲気に刺激を受けたようでした。引率のやまもとはエッジの効いた日建ディテールを見ながら一人ため息。

 

建築スタジオの屋上から甲子園ホテルを見る。阪神間でこの広大な敷地。本当に贅沢な場所です。貴重なレトロ建築と、予定外に建築学科の建物も見学させて頂くことが出来、非常に実りのある学外研修となりました。ありがとうございました。

謹賀新年

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大阪・奈良・建築・設計事務所・建築家・山本嘉寛・住宅・新築・戸建て・リフォーム・リノベーション・定期報告

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
本年も山本嘉寛建築設計事務所をよろしくお願い申し上げます。

2019年1月吉日