奈良県橿原市M邸オープンハウスのお知らせ

【このイベントは既に終了しました】

この度、私たちが設計監理を行っている住宅が完成します。お施主さまのご厚意によりオープンハウス(内覧会)を行うことになりました。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出されて以降、久々の開催です。町家・古民家の改修やリノベーションをお考えの方、新築住宅をお考えの方、まだ具体的な計画はないが将来的に家づくりを考えておられる方ももちろん大歓迎ですので、お気軽にお越し下さい。

日時:3月19日(日) 10:00 - 17:00
場所:奈良県橿原市八木町
最寄駅:近鉄大阪線・京都線:大和八木駅徒歩10分、JR万葉まほろば線:畝傍駅徒歩5分
※駐車場のご用意はありませんので公共交通機関をご利用下さい。コインパーキングは畝傍駅前などにございます。

概要:
古くから街道沿いの宿場町として栄えた奈良県橿原市八木町。江戸期の街並みが保存されている重伝建地区の今井町と比べて規制が緩く、文化財指定を受けた旧家から明治・大正期の古民家、戦後の昭和レトロな店舗併用住宅まで、様々な年代・様式の建物が混在した生活感の溢れる地域です。ただ近年は空き家になった古い建物の取り壊しが相次ぎ、駐車場やハウスメーカーのプレファブ住宅、賃貸ハイツへの移行が進んでいます。

今回はそんな八木町にある、戦前に建てられた大きなニコイチ長屋の片側を若いご家族の住まいへと改修する計画です。約30年間閉め切って放置され、白蟻や腐朽によりボロボロになった建物は、解体・新築を選ぶ方が手っ取り早い状況でしたが、古い民家の佇まいや八木町の雰囲気に愛着のあるお施主様(と私)の希望により、既存のイメージを残して改修することになりました。

ニコイチ長屋の半分をスケルトンまで解体してベタ基礎を敷設し、柱梁を入れ替え或いは継ぎ接ぎをしながら、もう片側の住戸が解体撤去された場合でも十分な耐震性を確保できるよう構造補強を行いました。特に傷みが激しかった下屋と玄関はいったん解体して、まだ使える部材を吟味し再利用しながら組みなおしています。南北に風通しの良い居間を中心に、使い勝手や庭との関係性を保ちながら回遊性の高い間取りに改編し、床・壁・天井を断熱、設備と外部建具は全てやりかえ、内部建具は出来る限り補修して再利用しました。現代的な生活の中に古い素材や空間が息づく住まいが、ここ八木町における住宅の1つの在り方となれば良いと考えています。