四つ角の家
大阪府堺市。ニュータウン開発に取り残されたなだらかな丘の中腹に計画した住宅。8.1m角の正方形平面をもつ1つの大きな家型をつくり、その中に各頂点から派生した4つの小さな家をつくると、小さな家と家のあいだに十字型の隙間が生まれます。小さな家は機能上の要求から全て異なる気積となるため、隙間は交差点ではなく路地裏の四つ角のような曖昧な歪みを伴った空間となります。小さな家と四つ角は穿った開口によりつながり、裏返され、時には開き時には閉じながら住み手の生活が育まれます。外部は焼杉のテクスチャを纏いながら家型のアイコンに還元し、内部は複雑な空間を構成しながらホワイトキューブに還元する。相反する条件がバランスを保ちながら共存できる建築は、ニュータウンと旧村落がせめぎ合いながら互いに歳を重ね、ある種の平衡状態に近づきつつあるこの敷地に似つかわしい住宅の姿でした。

Crossroad House
This house is designed for a couple and their little son. The site is a gentle hillside in the south of Sakai City, Osaka Prefecture, Japan. The external shape is a simple square of 8.1 m × 8.1 m, but it has a complicated internal structure. We designed four small houses that extended from each vertex of a large house. The breakdown of four small houses is garage and bathroom, two bedrooms, Japanese style room and closet, and balcony. Because they all have different volumes, the gap between houses becomes a distorted crossroad like an alley. Residents can move in and out small houses and crossroads. It is a scenery like in a village. We designed the exterior as a simple residential icon, but it is wearing traditional cedar boards. We designed the interior as a complex village, but it is expressed as minimal white cubes. In the suburbs of Japan developed by urban planning in the 1970s including Sakai City, residential areas installed next to traditional villages. The boundary between the two communities has becoming ambiguous for 50 years. We thought that it was the most suitable architecture for this site to coexist some contradictory conditions.

土間ガレージ。中2階の下には秘密基地が広がっている。

小さな家は必要に応じて大きさが全部異なる。四つ角が歪むことで正方形平面の強い求心力が適度に拡散されている。

四つ角からダイニングキッチンを見る。

リビングの上はテラスを納めた小さな家。内と外を両義的に扱う。

キッチンから四つ角を見返す。キッチン天板はステンレスバイブレーション仕上げ。扉はタモ突板。

キッチンから水廻りを納めた小さな家を見る。窓には庭の芝生、雑木林の緑、空だけが映る。

書斎から四つ角を見る。階段はエキスパンドメタル。

窓を介していろいろな場所がつながる。

北東から四つ角を見る。大きな家の四隅に小さな家が寄り添っている。

南東から四つ角を見る。キッチンバックセットの裏はクローゼットルーム。その上は和室。

大きな家と小さな家は一つの大きな屋根を共有している。

洗面室の手前から箱階段を上がって納戸へつながる。

和室。お施主様がお持ちのブラックウォルナット天板に合わせてアイアン脚をデザイン。

和室の窓から大きな家、テラス、桜並木を見通す。

小さな家の中。トップライトから光が射す。

雑木林の緑を楽しめる洗面室・浴室。壁面はサブウェイタイル。

大きな階段のあるリビング。半階上にダイニングキッチンのある四つ角が見える。

リビングから大きな階段を見返す。床はナラフローリング。

土間へと続くエントランス。床は墨入りモルタル。建具はラワン合板。

エントランスからリビング方向。アンティークガラスを嵌めた扉はリビングへの入口でもあり、小さな家の出口でもある。

夕景。4つの小さな家が発光する。

小さな家の灯りは気分に応じて調光できる。

手吹きガラスのダイニングペンダント。ダクトレールを細い鋼材で吊るす。

汚れが気になるキッチンの床は四半敷きのタイル。バックセットのニッチはブルーに塗装。

敷地の周りを斜路が取り囲みプライバシーを確保しにくい環境。唯一開けた南西に向けて大きな開口を取る。2階にはお花見の出来るテラス。

西より。8.1m x 8.1mの真四角の上に宝形屋根が架かるシンプルな家型。

南東から見る。道路を挟んで桜並木と雑木林が広がっている。外壁は焼杉縁甲板貼り。屋根はガルバリウム鋼板一文字貼り。

北西から見る。桜並木の先はなだらかな丘陵。アプローチは建物のかたちを踏襲した正方形のコンクリート土間。

俯瞰。変形敷地の中に整形の建物を置く。北側斜線一杯のボリューム。

概要
計画/2015-2018 所在地/大阪府堺市 用途/専用住宅 構造規模/木造2F 坪単価対象面積/45坪[148m2]

協働
構造設計監理/安江一平[ワークショップ] 施工/[マサキ工務店] キッチン/[KANWORKS] 照明計画/石堂信吾[DAIKO大阪TACT] ファブリック/[fabricscape] 外構/松下岳生[soji] 金物/[上手工作所] 撮影/笹倉洋平[笹の倉舎]

外部仕様
屋根/ガルバリウム鋼板一文字葺[NISC] 壁/焼杉 南京下見板貼[中本造林] 軒裏/杉板縁甲板OF 開口部/アルミサッシ[LIXIL] 【テラス】天井/漆喰塗 壁/漆喰塗 床/FRP防水軽歩行用

内部仕様
【玄関・土間】天井/AEP 壁/AEP 床/墨入モルタル金ゴテ押エ 【主寝室・リビング・ダイニング】天井/AEP 壁/AEP 床/ナラフローリングOF[Nissin-EX] 【WIC】天井/構造用合板表し 壁/ラワン合板貼・OSB貼 床/ラワン合板貼 【キッチン】天井/AEP 壁/AEP・キッチンパネル貼[AICA] 床/磁器質タイル貼[名古屋モザイク工業] 【洗面室・トイレ】天井/AEP 壁/AEP 床/フレキシブルボードUC 【和室】天井/AEP 壁/AEP 床/縁無し畳貼 【浴室】UB[LIXIL] 【納戸】天井/ラワン合板貼 壁/AEP 床/構造用合板表し 【キッチン】家具製作 【内部建具】ラワン合板フラッシュOF・シナ合板フラッシュオレフィンシート貼・シナ合板フラッシュAEP・ナラ突板框戸OF

設備仕様
【給排水】給水/水道直結 給湯/電気温水器[日立] 排水/下水道放流 【換気空調】換気/第3種換気方式[三菱電機][UNIX][富士工業] 空調/ルームエアコン[三菱電機] 【電気】[DAIKO][松本船舶電機][青山電陶][Panasonic][fresco]