大阪市淀川区K様邸

大阪市淀川区。大きなマンションやオフィスビルと、中小の戸建住宅・商店が密集して立ち並び、交通至便ながら日照やプライバシーの確保が難しい環境です。お施主様はこの地域に長く住んでこられた50代男性とそのお母様。三方を高い建物に囲まれた敷地に建つ小さな住宅を建て替える計画です。生活リズムが異なる大人二人が日常生活を過ごす場としては、大きなLDKより、独立した各々の個室と手が届く範囲に使い勝手良く収まった収納があればよいとの考えから、動線や収納をコンパクト化して80㎡を切るまで延床面積を圧縮し、それと共に生まれる屋外の余白を利用して部屋と部屋の間に適切な距離感を生んでいます。1階はエントランス兼用のバイクガレージ、お母さまの部屋、中庭を挟んでコンパクトなダイニングキッチン、更に中庭に面したバスルーム。木製建具を格納すれば内部外部の境界が消え、1つの大きなリビングが出現します。2階は息子さんの部屋とウォークインクローゼット、親族のためのゲストルーム。厳しい敷地条件の中でも、自然や季節の移ろいを感じられる快適な住まいとなりました。

北面接道かつ3方を高い建物に囲まれる厳しい周辺環境。

ボリュームを調整して、建物内に光を取り入れる。

断面。狭小地でも庭と諸室が様々な関係性を持つように設計。