一般の方向け・建築工事の見積書の見方

我々設計監理者にとって、見積の調整は極めて重要な業務です。建設会社から出てきた見積書を一項目ずつ確認しながら、金額の間違い箇所はないか、少しでも安くできる項目がないか目を皿のようにしてチェックしていきます。専門的な内容がほとんどですので一般の方には完全な理解は難しいですが、根気強く順番に追っていくと、どれぐらい精度が高い見積なのか、ある程度の妥当性は確認することができます。

まずは表紙や目次の部分に「見積条件」の記載がないか確認しましょう。見積時に不確定要素を含む場合、こういう状況を仮定して見積しました、という記載が書かれている場合があります。それが見積金額にも響いてきますので、実は重要な注意書きです。


次に全体的に計算式のミスや項目の重複がないか確認しましょう。見積を作成する側も人間、項目が抜けていたり桁が異常に多かったり、入力の際に間違えることが時々あります。また計算式が何かのはずみで正常に働かず、単価と個数、合計金額の整合性が合っていない場合もあり得ます。

一番分かりやすいのは、見積中に何度か登場する材料があって、その単価が項目によって異なっている場合です。何か理由がある場合も考えられますし、単純な入力ミスもあり得ます。それを見積業者に確認することは、特に先方も嫌な気にはならないでしょう。

次に、依頼していた商品が計上されていなかったり、依頼とは別の商品が計上されている事がないか確認しましょう。見積業者が何らかの理由で変更しているなら、その理由は把握しておいたほうがよいでしょう。見間違え・入力ミスもあり得ますし、廃番・欠品で手に入らない場合や、同等の性能が得らえる別商品にて見積されている場合もあります。

単価・数量が不明で〇〇工事:一式=〇〇円、というアバウトな項目が多い見積や、項目ごとに細かく算出しているが最終的に出精値引きで大きな金額が引かれている見積は、金額の根拠が定かではないため、あまりよろしくない見積といえます。そのまま工事が問題なく終わればよいのですが、途中で内容を変更・中止した場合に増減金額が妥当なのかどうか判断できなくなる危険性があります。

定価がわかる商品はそれがいくらの比率で計上されているか確認することである程度のチェックが可能です。たとえば照明器具AとBがあったとして、同メーカーの別品番同士、という場合は基本的に定価に対して同じ比率で仕入れが行われているはずです。ただ、特注品など何らかの条件で仕入れの掛率が悪くなる場合もありますので絶対ではありません。

我々が見積を査定する場合はさらに細かく、各項目ごとの数量と設計図の面積や数量が一致しているか、もう一歩踏み込んで確認していきます。なかなか骨の折れる作業ですが、減額項目が見つかった時の喜びを求めて明日もまた目を皿にしていきます。