
隣り合う2つの賃貸マンションの外構を一括解決
どこにでもあるような2階建ての軽量鉄骨造賃貸マンション。建物のオーナーは外観の老朽化と、駐輪場・ゴミ置場の不足による美観・衛生・治安の悪化に悩んでおられました。ただ外壁の改修設計が可能であっても絶対的なスペース不足は如何ともし難く、これは手の施しようがないとお伝えしたところ、実は隣にもう一軒賃貸マンションを所有しておられること。しかもそちらは建物の前がフルオープンで無駄なスペースが多く、アプローチにも魅力がなくて困っている、という話でした。 そこで隣り合う2つのマンションの共用機能を中央部に集約し、それぞれのマンションへのアプローチで挟み込む配置計画によって、双方の建物が抱える問題点を一気に解決する提案を行いました。オーナーの理解も得られ、工事の結果、賃料と入居率の下落に歯止めがかかり利用マナーも大幅に改善することができました。 ハウスメーカーが建てた小規模賃貸マンションは決まったパッケージを様々な形状の敷地に無理やり押し込めるため余分なスペースが生じます。本来ならそれを有効活用する外構設計が必要ですが、そもそもハウスメーカーには設計者が各物件に合わせて細やかに対応できるシステムはなく、設計者が直接現場を訪れることもありません。見かけの総工費を圧縮したい思惑もあり、外構は建物オーナーに丸投げされてしまうケースが多々有ります。そんなハウスメーカーが建て散らかした住宅や集合住宅を、あるべき姿に設計しなおす作業も私たちの職域なのかもしれません。





概要 計画/2014-2015 所在地/大阪市東住吉区 用途/共同住宅
協働 設計監理/山本嘉寛[YYAA] 施工/[山本安工務店] 撮影/山田圭司郎[YFT,]
DとTのアパートメントの軌跡
関連プロジェクト


016 D-Kitatanabe #102
築20年ほどのハウスメーカー製賃貸物件のリノベーション。ありきたりなワンルームをできるだけシンプルで広く使える間取りへと変更し、ナラ無垢フローリング・ウッドデッキ・モルタル床など素材感のある仕上げや、カウンター・木製建具など現場製作品を使用した設計を行うことで、より良く・より長く入居者に使って頂ける空間をつくりました。
関連プロジェクト


024 D-Kitatanabe#201
賃貸ワンルームマンションのリノベーション二期計画。既存の間取りを一切変えずに扉を全て撤去して完全なワンルームに還元し、カーテンを窓枠から開放して拡大解釈することで天蓋や蚊帳のように薄く柔らかく空間を分節できる仕組みを設えました。
