process|建築ができるまで

お施主さまの思いからはじまった建築づくりの種は、私たちのアイデアによって発芽し、多くの人々と様々なプロセスを経て、ようやく結実します。その道のりを「じゅんび」「きほん」「じっし」「かんり」「そのご」の5つの段階に分けてご案内します。

じゅんび

漠然とした「建築をつくる」という目標から、様々な条件や優先順位を整理し、大まかな姿形・予算・時間をかたちづくっていく段階です。新築用地やリノベーションする中古物件の選定、資金計画を立てることも重要です。お打合せの様子やプレゼンテーションでご提示した案を見て頂きながら、建築づくりのパートナーとしてわたしたちが適切かどうかじっくりご検討ください。
1.お問合せ・ヒヤリング
まずは当ホームページ右上の【contact】⇒【建築設計のご依頼】より必要事項を明記の上、お気軽にお問い合わせ下さい。ご計画の物件や時期が決まっていない段階でも大歓迎です。
2.物件探しのコンサルティング
新築用地やリノベーションを行う建物が未定の場合、難しい物件探しのお手伝いを承ります。候補物件のメリットや危惧される点などを建築士の立場から助言し、物件に関わる法規制や隣地との関係、インフラの状況について不動産資料に記載されている内容が正確かどうか検証します。候補物件がたくさんある場合はご活用下さい。
3.実測・既存図面作成
古い家屋や古民家など、既存図面がない場合はプランニングに先立って建物の実測調査と既存図面の作成を行います。建物状況調査(インスペクション)も承ります。
4.立案・プレゼンテーション
ご希望の条件、物件の状況やご予算、法規制などを勘案して計画を立案します。プレゼンテーションは図面や模型、CGなどを使いながら、計画案を分かりやすくご説明します。予算計画や工期の目安、設計監理料もご提示します。

きほん

あれこれ悩みながら設計の基本的な方針を定めていく段階です。建築づくりのプロセスの中では一番夢が膨らんで楽しい時期です。ご予算や時間の制約を頭の片隅に置きながら、時には飛躍した案も考え、プロジェクトが持つ様々な可能性を探ります。
5.設計契約
建築士法に基づく重要事項説明を行います。その後お施主様とわたしたちとの間で業務委託契約を締結し、正式に設計がスタートします。
6.基本設計
ファーストプレゼン案は限られたヒヤリングを元に作成する草案のため、最適解とは限りません。案を見て気付いたこと・気になることなどをお伺いして設計に反映し、また新たな案を見て頂くプロセスを繰り返しながら、徐々に設計の骨格が定まっていきます。

じっし

計画を実現するための詳細な設計図を作成する段階です。基本的には私たちの作業が主になりますが、詳細設計を進める中でより細かく具体的な選択肢がたくさん生じます。それらについてお施主様のご希望やご意見をお伺いし、設計の精度を高めていきます。
7.既存解体・詳細調査
新築では、地盤調査の結果によって地盤補強が必要になる可能性があります。リノベーションでは、仕上げ材で隠れた壁内や屋根裏、床下から構造的な欠陥(木造では腐朽や蟻害、鉄筋コンクリート造では露筋や爆裂など)が見つかる可能性があります。既存建物がある場合、早い段階で解体出来れば、着工後に予期せぬ追加工事が発生するリスクを低減できます。
8.実施設計
基本設計で決まった方針に基づいて、詳細設計を行います。お施主様のご希望を伺いながら床・壁・天井の仕上げ材料や設備機器を選定し、意匠図、構造図、設備図が揃って「設計図書」の完成です。

かんり

紙やデータの中で出来上がった設計図を建築として実現させる段階です。建築は設計者ではなく様々な職人が施工を行います。そのため図面をどれだけ細かく書いても、その内容を理解し実現出来る職人がいなければ、意図した通りの建築は出来上がりません。建設会社からより適切でコストパフォーマンスの高い提案を受けたり、お施主さまに実際現場を見て頂いて意見を伺う事も大切です。工事内容をブラッシュアップしながら一つの建築が出来上がります。
9.見積比較・合理化
出来上がった設計図を元に、建設会社に見積を依頼します。公平性と競争力を保つため、通常は建設会社3社の相見積を行います。提出された見積を精査・比較し、建設会社選びをサポートします。見積内容を参照しながら合理化案・減額案を考え、設計図・工事内容・ご予算のバランスが取れる箇所を探ります。
10.工事請負契約
建設会社が決まり、設計内容・工事金額・工期が確定すると、お施主様と建設会社との間で工事請負契約を締結します。私たちも監理者として契約書に署名・押印します。
10.確認申請・各種届出
工事開始前に様々な行政手続きを行います。建築確認申請の他、市町村の条例や地区計画の手続き、消防署や保健所、土木事務所、埋蔵文化財など、必要となる手続きは計画によって多岐に渡ります。
11.工事監理
着工すると、工事の内容が設計図に添ったものかどうか確認する「工事監理」を行います。建設会社と定例会議を行い、提出される施工図をチェックします。
12.検査・お引渡し
工事が一通り終わると、施工者・監理者・お施主様の順に出来具合を検査し、問題がある箇所を修正します。計画の内容に応じて確認検査機関や消防署などの検査を受けた後、建設会社から鍵・書類のお引渡しと機器の取扱説明を行って完成です。

そのご

自然の素材と手仕事によって出来た建築は、風合いが良い反面、既製品より耐久性が低く、乾燥収縮や経年変化もあります。また、建築をお使い頂く中で環境の変化や世代交代は必ず生じます。そのため工事の終了が計画の終了ではなく、建築とそれに関わる人々の変化に柔軟に対応する必要があり、私たちも施工した建設会社も、元よりそのつもりで計画に臨んでいます。建築の内容を把握した設計監理者・施工者が完成後もフォロー出来る態勢は、商品として販売される建築では得られないメリットの一つです。
13.アフターフォロー
建物の完成1年後に建設会社とお伺いし、問題点があれば是正工事を行います。その後は3年、5年、10年と経過する毎にご連絡し、不具合や追加のご要望がないかお伺いします。建物同様、長くお付き合いさせて頂ければ幸いです。