ウイリアム・モリスと愛でる家

奈良県立美術館で開かれている「ウイリアム・モリス展」に行ってきました。テキスタイルから家具、フォントデザインまで、関係人物や会社の変遷と共に様々な作品が展示されていて、楽しいのはもちろんのこと、大変勉強になりました。レッドハウス(旧モリス邸)のウォークスルーもあります。

私たちの事務所で数年前に設計させて頂いた「愛でる家」の2階書斎。カーテンはお施主様に選んで頂いたウイリアム・モリスの代表作「いちご泥棒」です。この作品のオリジナルも奈良県立美術館に展示されていて、感激でした。150年前のデザインが今でも現役で、身近にあることは素晴らしい事です。

奈良県立美術館 特別展「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」
2021年6月26日(土)-8月29日(日)
詳細は美術館のウェブサイトをご確認下さい。

さて、偶然時を同じくして、愛でる家ではメンテナンスを兼ねて若干の追加工事を行いました。建具調整や雨水側溝のしゅんせつに加えて、2階の空いた部屋の壁紙を一面だけ張り替えることになり、「これはウイリアム・モリスしかない!」ということで、お施主様にご提案しました。しかしウイリアム・モリスは本当にかわいい柄が多く、しかも色違いバージョンもあるので1つに選ぶ作業が大変です。何か取っ掛かりがないと・・・ということで、1階のギャラリーの襖紙に使った鹿児島睦さんの「ざくろ」に因んで、ざくろ柄を中心にピックアップしました。

一戸建て住宅リノベーション・古民家耐震改修の施工事例|愛でる家【山本嘉寛建築設計事務所YYAA】大阪・奈良・京都|建築家

愛でる家1階ギャラリー。京都「かみ添え」さんにお願いした襖紙。鹿児島睦さんのざくろ柄。

そして最終的に選ばれたのは「柘榴あるいは果実」。派手になりすぎてしまうかな・・と少し心配しましたが、大きな画面で見ても上品さを失わず、全く問題ありませんでした。いつまでも眺めていたくなる逸品です。後から調べると、鹿児島睦さんはウイリアム・モリスの影響を大変受けておられるそうで、なるほどなあと思いました。そしてこの柄も奈良県立美術館に展示されています。何とも数奇で幸運な巡りあわせです。

また一つ、「愛でる度」がUPした、愛でる家です。

暑い中、手直し工事にご尽力いただいた工務店の皆様、ありがとうございました。

掲載:住宅建築2019年8月号

弊所設計、奈良の住宅リノベーション「愛でる家」が現在発売中の雑誌『住宅建築』に掲載されています。是非ご覧ください。

 

事務所をはじめて10年、プロ向けの専門誌に特集して頂くのはこれが初めてなので大変光栄です(ちょい役は何度かありましたが・・・)。またこういう機会に恵まれるよう、さらに精進したいと思います。

“愛でる家”をUPしました。

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Worksに奈良市K邸リノベーションの模様をUPしました。美術品、骨董、庭そして何より家自体を「愛でる家」です。最初は内部だけのリフォームのはずが徐々に規模が膨らみ、最終的には建物の内外を含めた壮大な計画になりました。ご協力頂いた多くのデザイナー・職方の皆様、施工して頂いた髙田工務店さん、プランの検討から細かな家具・備品の納まりまで快く打合せにお付き合い頂いたお施主さまに感謝申し上げます。

竣工写真撮影

奈良市の戸建てリノベーション。竣工写真の撮影に伺いました。カメラマンは笹倉くん。

曇りの天気予想でしたが、朝から良い具合に薄日が射してきたので今日はラッキー。お施主さまにも色々ご協力頂きながら、トップライトから柔らかい光が入るLDKの様子を撮ることが出来ました。その他の部屋も設計とお施主さまのコダワリ盛りだくさんなので、出来上がりが楽しみです。

お茶会デビュー

先日お引渡しを終えた奈良市の戸建リノベーションのお施主様からお茶会にお招きいただき、竣工後に取り付けた家具やカーテンのチェックも兼ねて行って参りました。はじめての経験で少し緊張しましたが、手順を分かりやすく教えていただき、楽しく過ごすことができました。設計させて頂いた和室で実際にお茶を頂く体験は今後の設計の参考にもなります。

 

設計した空間にお施主様のお気に入りの美術品が綺麗にレイアウトされています。

 


お施主様の生活と空間がうまく調和した様子をうかがえて、設計させて頂いて本当によかったと感じるひとときでした。ありがとうございました。

 

 

かみ添さんのふすま紙

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後ほど。と言いながらすっかりご紹介が遅くなってしまった、かみ添さんのふすま紙。完成の様子です。

 

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和室側はランダムな水玉模様。かわいい中にも客間として使える清廉さを備えた部屋になりました。ほのかな煌きが写真では分かり難くて残念。

 

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壁の腰張りは紺色の湊紙。畳縁は錆色。

 

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隣のギャラリーは鹿児島睦さんのオリジナル意匠を刷ったふすま紙。一転して野趣溢れる雰囲気に。骨董品・美術品とも良く共鳴しそうな空間になりました。ちなみにこれはざくろの意匠なのだそうです。

 

 

木製の手摺をつくる。

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奈良市K邸。廻り階段に手摺がなかったので、工事に合わせて新調しました。家の雰囲気的に、鉄製ではなく木製が良いなあと思ったのですが、木製の既製品はいかにも「高齢者対応」という感じでブラケットやジョイント部分が美しくないものばかり。玄関から目立つ階段にはとても使えません。木工所さんにお願いして製作して頂きました。

 

大阪,奈良,建築家,設計事務所,新築,リノベーション,山本嘉寛狙い通り、言われないと気づかないような、さりげない手摺になりました。材はタモです。ブラケットはアイアンの鋳物。

 

 

ベンチの取り付け

家具屋さんにお願いしていた特製ベンチが完成。壁ぴったりサイズなので慎重に取り付けていきます。

無事に完成。本体はタモ集成材。そして座面は先日お施主様に買い付けて頂いたミナ・ペルホネンのdop柄3色。座面はマジックテープ留めなので、取り外して洗ったり気分によって配置を入れ替えたり出来ます。

私たちの事務所では完全作り付けのベンチは初めてです。以前から一度挑戦してみたかったので、ようやく夢が叶いました。勢い余ってクッションも製作。とてもかわいいダイニングになりました。

オープンハウスご来場ありがとうございました。

先日のオープンハウスにはたくさんの皆様にお越し頂き誠にありがとうございました。心配した雨も上がり、さわやかな気候の中でゆっくりと見て頂くことができたように思います。今回はなんとお施主様も一緒になって来場者の方々をおもてなし。数々の思い入れディテールを語って頂き、本当に設計者冥利に尽きます。

 


心配した別注品の数々も、カーテンと一部の照明を除いてなんとか間に合いました。写真はお施主様の骨董・美術品を収蔵する予定のギャラリー。ひとまず今回のリノベで採用したサンプルを並べてみました。それなりに価値のあるように見えてくるから不思議です。奥に写っている、かみ添さんの襖紙についてはまた後ほど。。。

設計検査を行いました。

奈良市の戸建てリノベーション。工事がほぼ終了し、設計検査を行いました。全体的に作りこんだ箇所が多いので、感慨ひとしおです。

 

不具合箇所には紙テープで印をして、工務店さんに是正して頂きます。完璧な状態になるまで何度でも!というところですが、工業製品でつくる住宅と違って、大工や左官の職人さんがつくる住宅には微妙な凹凸やムラが必ずあります。そういう手作業の跡は温かみであったり、味であったり、むしろ職人さん達の想いの結晶とポジティブに捉えて、生活する上で危険な部分や不都合がある部分(木材のササクレや扉の戸当りなど)を重点的に検査していきます。

※11/11にオープンハウスを行います。ご案内はこちら。

水屋ができました。

奈良市の戸建てリノベーション。炉を切った和室の脇に水屋を新設しました。半間のコンパクトな水屋ですが、それでも棚や水栓の位置、素材など、所作と関係する部分が多いため、お施主様と何度も打ち合わせしながら仕様を決定しました。

 

工務店さんに、倉庫で眠っていた建具や竹などの部材を色々持ってきて頂きました。どれも良い味が出ていて捨てがたい。

 

建具の寸法を詰めて天袋に再生しました。障子は焼杉網代。なかなかよい塩梅です。

奈良市K邸オープンハウスのお知らせ

※このイベントは終了しています。

この度、私たちが設計監理を行っている住宅が完成します。築40年ほどの数奇屋風住宅のリノベーションです。お施主さまのご厚意によりオープンハウスを行うことになりました。新築住宅の建築をお考えの方はもちろん、古い木造住宅の改修をお考えの方、中古戸建て住宅のリノベーションをご検討中の方など、私たちの設計の実例を見て頂ける貴重な機会ですので是非お越し下さい。

羊毛断熱材が入りました。


奈良市の戸建てリノベ。外壁に断熱材が入りました。今回は工務店さんのご厚意&お試し企画で、羊毛断熱材を採用しています。

グラスウールやロックウール、発泡ウレタンといった化学系断熱材でも計算上、同じ断熱性には出来るのですが、実際に羊毛断熱材を貼ってみると、体が感じる気持ちよさが全然違うことに驚きました。化学系の断熱材を施工したての現場は何となく長居したくない気持ち悪さがあるものですが、さすがウール。フカフカでずっと触ってたい心地よさ。壁で塞いでしまうのが勿体ないです。

今回は漆喰や土壁、タイル、織物壁紙、無垢フローリングなど、自然な素材感のある材料をたくさん使うので、その仕上げの内側も自然な素材で出来ていると更に心地よさがUPするような気がします。

製作ベンチの打ち合わせ

家具屋さんで、お施主様と製作ベンチの打ち合わせ。

 

新品のラインナップもありますが、元々は家具の修理から始められたとのことで、店内にはリペアしたレトロでかわいい家具がいっぱい。

 

ベンチには先日、四条河原町のお店で確認してきたmina perhonenの張地を使います。悩みに悩んで、3色の張地の組み合わせ+クッションを製作することになりました。出来上がりが非常に楽しみです。

屋根にトップライトが付きました。


奈良市のリノベ。屋根をくりぬいてトップライトが付きました。今まで薄暗かった室内がサンサンと陽が降り注ぐ明るい部屋に一変。さすが採光面積3倍。劇的な効果です。

 


トップライトは手が届かない部分に設置するので、基本的にリモコンで開閉操作します。夏場は暑くなりすぎるので電動ロールスクリーンも付属です。さらに開けた窓は雨が降ってくるとセンサで感知して勝手に閉まる仕組みです。非常に優れものです。

打合せの旅:寿ビルディングとmina perhonen


打合せの旅のつづき、『寿ビルディング』にやってきました。このビルの1階に入っている『mina perhonen』が今回の旅の最終目的地です。お施主様より「mina perhonenの生地を使ったソファが作りたいわぁ!」とのご要望で、どんな生地があるのかリサーチです。

 

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…といいつつ、お店の可愛らしい雰囲気に足が踏み出せない男性陣。お店に入る前に、気持ちを落ち着ける意味も含めてビルを見学しました。寿ビルディングは、昭和2年竣工の鉄筋コンクリート造5階建ての建物で、京都市の『歴史的風致形成建造物』に指定されています。階段の木製手摺も格好良いです!

 

ビルを一通り見学し、本題のmina perhonenへ。正面のショーウィンドウからは、生地のロールが見えるようになっています。入口扉も可愛いです!


家具用の柄は2種類。『ちょうちょ』と『tambourine』。どちらもmina perhonenの代表的な柄です。生地色によって刺繍糸の色も少しずつ違うので、選ぶのも迷ってしまいます。

 


家具用の生地は『dop』といって、表と裏の両面に色違いの生地が使われていて、2枚で1セットになっています。

 


なぜこのような工夫がされているかというと、使い込みによって表生地が磨り減ってしまっても、この写真のように裏面の生地がだんだん現れてくるので、時間が経つのも楽しみのひとつになる仕組みです。永く使い込んでいくことを考えると、わくわくしますね!

畳の打ち合わせ


六畳の和室。今回のリノベに伴い、炉を切って茶室として使える設えに変更します。お施主様に立ち会って頂きながら畳屋さんと詳細の打ち合わせ。客や亭主の動線、床の位置によって畳の敷き方を考える必要があり、さらに流派によっても考え方が色々なので、畳屋さんでも失敗したことがあるとか。。。奥が深い世界です。

 


例えば畳の目乗り。写真は敷居との取り合い部分。畳縁に畳の目が半分重なって止まっています。部屋の隅では問題ありませんが、炉の周りでは畳の目を基準にお道具を置くので端数が出ないようきちんと揃える必要があるそうです。一概に六畳といっても柱割は様々なので、部屋の内法に合わせて、タイルを貼るように緻密に目を合わせていきます。茶室を巡る寸法体系は基本的に尺貫法なので、数値を聞いてパッとイメージ出来るようになるには相当の修練が必要ですね。

打合せの旅:かみ添にて襖紙を選びます


お施主様と打合せの旅、本日の目的の場所『かみ添』へ。店頭には、綺麗な文様の型押しされた便箋やポチ袋が並んでいます。レースのように繊細な文様が自然光を受けてきらきらしていました。


奥のスペースで、いろいろな襖紙のサンプルをお見せいただきました。絵の具で染色された紙に手刷りで文様が型押しされた唐紙は、どれも表情が異なります。文様ひとつひとつはキリッとした印象ですが、一枚で見るとやわらかな雰囲気を持っています。また、襖や壁などの大きな面としてみると、空間にほどよく馴染み、華やかで落ち着いた印象です。

今回は、お部屋によって文様を変えることにしました。下地と文様の色の組み合わせも、サンプルとは異なる色へ変更したので完成が楽しみです。