団地の家|ガレージに団地の間取りを載せた最小限住宅

のどかな村落の中に計画した小さな住宅です。公団住宅で生まれ育ったお施主様のご要望は、出来る限り団地と同じ条件の居住空間を再現することでした。玄関に直結するダイニングキッチン、廊下を挟まず隣接する多目的な和室、極小の水廻り(洗濯機は二槽式希望)、天井高も団地と同じが良い。一つだけ異なることは、趣味のための広いガレージが欲しいという事だけでした。厳しい予算の中、間取りを団地と同レベルまで切り詰め、構造材と仕上げを兼ね、素材や設備コストを最小限に抑えることで、1Fガレージ+2Fダンチのガレージハウスが出来上がりました。時にウサギ小屋とも言われる日本の団地ですが、そこで生まれ、暮らしてきた方々にとっては、コンパクトでエコな住まいの理想像そのものです。第二次大戦後、集合住宅のモデルとして団地を構想した先達たちの努力が住み手の中にしっかりと息付いている事を改めて感じる計画になりました。

Danchi Hutch

This smallest house is designed for a man and his mother that lived in a Danchi for a long time. Danchi is notorious Japanese housing complex. Since it is too narrow, it is often called "The rabbit hutch." First time the client consulted us , they requested to design too narrow residence although the site is large enough . As a matter of fact , Danchi was most precious lifestyle for them. So we designed so compact house like Danchi which has only 3 small rooms and a garage.

北西から外観を見る。屋根・外壁はガルバリウム鋼板。

玄関戸はバイクの出し入れを考慮して幅広の引戸。針葉樹合板にて製作。

東側外観。画面左の空地には施主支給・施主工事にて鉄骨バルコニーを製作する予定の為、確認申請に含めて設計。

無駄を一切排し、大人2人がここで暮らす最小限の気積。

2階。ダイニングキッチンを挟んで親子の個室。生活スタイルに沿ってどちらも和室。

壁・天井・建具・階段は全て針葉樹合板。

概要 計画|2011-2013 所在地|京都府綴喜郡井手町 用途|一戸建ての住宅 構造規模|木造2階

協働 設計監理|山本嘉寛[yyaa] 施工|[ヒロタ建設] 撮影|笹倉洋平[笹の倉舎]

掲載 Dezeen(2013) freshome(2013)