P Kyoto Saiin|分譲マンションのエントランス再生

京都市内の分譲マンション。エントランスホールの壁面に貼られていた石材が経年劣化で剥離して落下し、負傷者が出ていました。全体的に打診検査したところ他にも落下の恐れがある部分が多数見つかり、壁面の修繕とともに古くなったエントランスホール全体のリニューアルを行うことになりました。多くの入居者の方々のコンセンサスを取りつつ、耐久性が高く、メンテンナンス性が良く、コスト抑えめで、という難しい条件から難航しましたが、最終的には既存建物のシンプルで落ち着いた雰囲気に良く調和したデザインとなりました。

凸凹のあった塀を成形してモノリシックな壁面に変更。

くすんだムラのある素材を用いることで、築年数の経った外観に違和感なく馴染んでいる。

壁面をデコレーションしていた赤御影石やミラーを剥がして窯業系スレート貼りに変更。

壁面は後々再びメンテナンスが必要な湿式工法を避け、乾式工法で将来不具合箇所が生じた場合も交換が容易なスレート貼りとした。ビル名の切り文字サインも主張しすぎない小さなサイズに刷新。

床面は1つのタイルを3種類のサイズで組合せ、階段の踏面・蹴上を含めてパターン貼りすることで微かなデザインを加えた。

バラバラだった照明の色温度を統一してLED化。鎧張りの壁面は灯りに照らされると陰影のある表情になる。

チラシで溢れていたメールボックスを清潔感のあるホワイトに変更。定礎版は入居者の方々の意向によりそのまま保存。

エレベーター横の視認性の高い壁面をゴムタイル貼に変更して掲示板として活用。*

概要 計画/2014-2021 所在地/京都市右京区 用途/共同住宅 構造規模/RC造10階うち1階

協働 設計/山本嘉寛[YYAA] 施工/[林工務店] 撮影/山田圭司郎[YFT,] (*はYYAA撮影)