いよいよ解体が始まりました。高度経済成長期以降に加えられたプリント合板や砂壁などを撤去して、元々の町屋の姿に戻していきます。今回は大部分の木製建具を再利用するので、慎重に作業を進めていきます。
2階も天井板を剥がして、屋根架構を露出します。
町屋の屋根は普通、骨組みに杉板を貼って、上から土を塗って瓦を載せるのですが、この長屋はなんと杉板ではなく杮(こけら)葺きでした。工務店さんによると、「昔はトントン葺きゆうて結構あったもんや」とのこと。細かい板の隙間から通気が取れて、しかも防水性も確保できるということで、大変優れものだそうです。杮葺に手間をかけて、その代わり重い土を減らして骨組みを細く。さすがは京都。雅な工夫に唸ってしまいました。