兵庫の建築めぐり:圓教寺

姫路に行ったついでに、前々から気になっていた書写山圓教寺へ。天台宗別格本山。西国二十七番札所。

 

かなり険しい山の斜面一帯に伽藍が広がっています。境内へは下界からロープウェイと送迎バス(というか車)で。

 

掛け造りが見事な摩尼殿。創建は970年ですが、現存する建物は1933年築で設計はなんと武田五一。往年の巨匠たちはコンクリート造も寺社も設計してしまうのがすごいところ。

 

 

 

摩尼殿を抜けて巨木の生い茂る森を抜けると、3つの巨大な建物が現れます。左:常行堂、正面:食堂、右:大講堂。

 

常行堂。かなりスケールアウトした存在感。とにかく、でかい。

 

大講堂。

 

お目当ての食堂(じきどう)。映画ラストサムライや大河ドラマ武蔵、軍師官兵衛、その他諸々の撮影で使われた建物です。二階建の食堂は他に類を見ない形式。1174年築の重要文化財ですが、内部は展示館になっていて無料で入れます。


圧巻の縁側。ここは古いもの以外全く目に入らないので、時代もののロケ地としては最適ですね。

食堂二階裏手。

 

巨大な建築物がこれだけまとまって残っている寺院は、奈良以外ではかなり希少です。都から遠く離れた山の上なので戦火を逃れたのでしょう。にしてもこれだけの資材を運び込む技術と労力には想像が追いつきません。