閑かな家|小上がりと通り庭のフラット
若いご夫婦と文鳥、めだかが暮らすマンションの一室。簡潔な床座の生活に慣れたお施主様から、ダイニングテーブルやソファを置くLDKワンルームは気積が大きすぎて落ち着かないとのお話を伺い、小上がり・寝室・水廻りから成る3つのまとまりを微かな隙間を取りながら据えることで、身体的なスケール感と奥性のある空間を創りました。素材は木材とセメント。あとは塗装仕上げ。縁取った開口部から入ったやさしい光が室内に満ちる閑かな佇まいとなりました。
Shizuka Flat
This is a simple apartment renovation for a young couple, a Java sparrow, and a school of killifish. The owner told us that the Western style living room with sofas and tables is too large to relax. We planned three small spaces with a little gap for the living room, the bedroom and the sanitary. The incidental parts such as kitchen, study, bookshelf and inner terrace are in that gap. As a result, this apartment became a calm space with a physical scale. The material is wood, cement, and painted finish. Light enter the room from the edged windows.
ちゃぶ台を中心とした床座の居室の外周に縁側・書斎・キッチンが巡る間取り。
壁・天井は薄グレー色。床のナラフローリングは質感を損なわないよう無塗装。
南に面した縁側は文鳥さんの居場所。開口部はサッシ枠を隠してマンション然とした意匠を抑えるディテール。
キッチンと書斎を直列に並べた通り庭。
キッチンバックセットと書棚を兼ねた長さ4.9mの可動家具。
キッチンの小窓から小上がりを覗く。
隙間を介して柔らかな光が入る寝室。
窓際の個室を広く明るい洗面室へ変更。
玄関と寝室の隙間はめだかさんの居場所。
玄関はモルタル土間。既存のエントランスを拡張して、寝室と共用廊下の間にできた通り庭。窓がないマンションエントランスの閉塞感から開放。
概要 計画/2015-2016 所在地/奈良市 用途/共同住宅 構造規模/SRC造7F うち3F 施工床面積/20坪[67m2]
協働 設計監理/山本嘉寛・三橋香織[yyaa] 施工/[青山工務店] 家具/[藤本木工所] 撮影/山田圭司郎[YFT,]
掲載 LiVESvol.110 [第一プログレス]/2020 LiVESvol.93 [第一プログレス]/2017
足跡