奈良県生駒市から相談を頂き、さっそく敷地調査に向かいました。生駒市の北部は最近近鉄の新線も開通し、住宅の建築ラッシュが続いています。ただ、ハウスメーカーが開発・建築を独占的に行っている地域も多く、われわれ建築家の出番はなかなかありません。今回の敷地はハウスメーカーの開発地ではないものの、いわゆる『建築条件付き』土地です。
建築条件とは、土地を買うときにその土地に建てる建築設計・施工業者を売主が制限する仕組みです。土地を売れば建築も儲かる。そんな不動産会社にとっては夢のようなシステムなのですが、かっこいい家をつくりたいと考えるお施主さまにとっては邪魔もの以外の何者でもありません。そんな恐るべき建築条件ですが、実は交渉で緩めてもらえる場合があります。
今回のお施主さまもありきたりな売り立て住宅ではなく、好みの住宅を建てたい!という一心で不動産会社・開発会社との交渉の末、建築のデザインについては外部に任せても構わない、という確約を取り付けたそうです。
しかしその代わり、設計に許された期間は短く、素材や設備の制約もあり、建物にかけられる費用も限られています。非常に難しいです!とご説明したものの、切羽詰ったお施主さまの熱い想いに負け、何とかプランを練る事になりました。