古民家の現地調査。

奈良市東部。柳生の里にほど近い村落から古民家を改装したお店のご相談を頂き、現地調査に行って来ました。奈良駅から車で30分ほど茶畑の合間をぐねぐね上がっていくと深い山々に囲まれたのどかな景色が広がっています。周りを見渡すと、右も左も築100年以上が確実な古民家ばかり。少し中の様子を伺うと、母屋・離れ・納屋・蔵といった分棟の絶妙な配置具合や、家の中で職住一体・自給自足の生活がごく自然に営まれている様子が見てとれます。ここには人や物が生まれてから死ぬまでのサイクルを何度も繰り返しながら洗練されてきた暮らしが今でもちゃんと息づいていると感じました。そんな環境の中に計画する建物は特段何かを主張するより、お客様がゆっくりした時間や雰囲気を満喫できるように、ぱっと見、どこをデザインしたのか分からないぐらいのささやかな設計が良いだろうなあと思っています。