スケルトン・インフィル町家の実測

京都市左京区から連棟町家の改修のご相談を頂き、さっそく実測に伺いました。戦前の建物らしいのですが床・壁・天井に化粧ベニヤが貼られていて構造体が全然見えません。普段、町家の実測では古い柱・梁の間隔から新築当初の設計者(大工棟梁)の頭の中を推理するので、これは強敵です。

少しベニヤを剥がして調べると、どうも連棟の界壁と屋根だけ残して、内部は骨組みごと換装されている雰囲気です。コンクリート造のマンションのように大きな構造体(スケルトン)の中に居住スペース(インフィル)が入れ子構造に収まっています。とはいえ界壁の土壁は既に朽ちていて、後から加えたインフィルが建物全体を構造的に支えているようだし・・・不思議です。

 

和室には柱らしきものがありますが、構造柱なのか付け柱なのか、容易に見分けがつきません。ローラー作戦で全箇所計測し、図面化しながら新築時やリフォーム時の痕跡を探っていきます。