斫る・毀つ


コンクリートなど硬いものをガリガリ削ることを、俗に「斫る(はつる)」と言います。一般的には耳慣れない言葉ですが、現場では日常的に使われています。普通、コンクリートは一回打ったが最後、やり直しはしないものなので、「斫り(はつり)」とはやりなおし工事を指す場合が多く、できれば使いたくない用語の一つです。
また、建物を解体することを「毀つ(こぼつ)」と言うのですが、皆様ご存知でしょうか。高校のときに「毀る」という動詞で、古典の時間に習っているはずです。大阪の現場ではあまり聞くことはないのですが、奈良では建築関係者じゃなくても、ごく普通に「うちの家、こぼって建て替えたんや」という具合に使われます。古典で習う単語がそのまま現在でも使われいる、ってある意味すごい事だなあと思います。まさにシーラカンス状態。「解体する」という単語より、「こぼつ」のほうが、何となく、木槌でボコスカやる感じが出て、個人的にはとても好きだったりします。

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