京都市東山区。戦前に建てられた長屋の一角をリノベーションするご相談を頂き、現地に伺いました。
おたふく窓と欄干、蝶のような鋳鉄製持ち送り金物など、昭和初期の定番デザインを踏襲しつつ、住まい方の変遷に応じて各住戸の表情は異なっています。十分に引きを取った南庭の植栽や門構えはよく手入れされ、徐々に新しい建物に侵食されながらも当初の雰囲気を残していて、路地に入ると戦前にタイムスリップしたような感覚になります。
既に一帯が京都市の指定を受けていると伺い、納得すると共に、丁寧に維持管理されてきた方々の想いには頭が下がります。
建物自体が素晴らしいので特に余計な事をする必要もないのですが、その素晴らしさの源は間仕切りが少なく開放的なプラン。それは耐震性や断熱性を確保しにくいという事でもあります。
レトロな雰囲気を活かしながら、現代的な快適性のある住まいになればと思っています。