古ビルタイルの張替え完了

不良タイルの補修・貼り替え工事が終わったと連絡を受け、早速現場へ。これは・・・かなりうまくいったのでは!

タイル屋さんには、場所や周囲のバランスを考えず、とにかく無心で配合通りランダムに貼って下さいとお願いしました。

ミックス貼りの配合を考える

古ビルによく使われている小口平タイル。かつてはごく一般的なタイルでしたが、今は風前の灯、生きる化石状態です。特に当時の色むらのある風合いは、精巧な現代の技術ではなかなか出せない味となっています。

不具合のある箇所を入替えるにあたり、古いタイルに似せた色を貼るより、建物に新たな色を添えるデザインが出来ないか、同じサイズのタイルを異なる配合でmix貼りしたサンプルをタイルメーカーさんに作成して頂きました。

実際の壁面に当ててみて確認。タイルを真正面からみることはむしろ稀なので、意外と反射率のmix具合も重要であることが分かりました。

オーナーさんや工務店さんの意見も聞きながら、最終決定した配合がこちら。4種類のカラーmixと3種類のテクスチャーmix。これなら古い外壁に馴染みつつ良い具合に主張してくれそうです。

外壁の改修計画が始まりました。


大阪市玉造の岡山ビルです。4年前の改修では、外部はほとんど既存のままだったので外壁タイルや吹付けの劣化が進んでいます。漏水やタイル落下の恐れもあるので足場をかけて全体的に補修することになりました。

 


割れたり剥落の恐れがあるタイルは撤去して、貼りなおす必要があるのですが、新築当時と全く同じ色柄のタイルはないので、どういうタイルを代替品として用いればよいか検討しています。サイズも「小口平」という規格で、最近はほとんど販売されていません。

 


昭和期のタイルは微妙な焼ムラがレトロ感を醸し出しています。よくみるとコーナーは微妙にタイルをカットして目地を調整しつつ、L型のタイル(役物タイル)を嵌め込んでいるようです。普段は気づかないのですが、じっと作り手の視点で見ると色々なことが分かってきます。

moving days

江戸堀のCalo Bookshop & Cafeさんで行われている「moving days 平野愛写真展」に行って来ました。人々の「引越し」に焦点を当てたとても珍しい写真集の巡回展です。大量の荷物が梱包されていく様子や、引越し作業のはずが懐かしい物についつい手が止まってしまう様子、荷物が新居に居心地よく収まって行く様子など、じっくり細かく見るほどに楽しめる内容です。

個人的には「家」や「住まい」として認識される空間と、「部屋」や「室」として認識される空間が、どこかの時点でふっと入れ替わる様に大変惹かれました。家具や物が少なくても「家」に見えたり、人が写った写真でも「部屋」に見えたり。

現場に通っていると、「資材」が「部屋」になる瞬間に立ち会えることがあります。それは劇的な変化で分かりやすいものです。一方「家」と「部屋」の違いはとても微かで、ひっそりしたものです。でも引越しする時、荷物を運び出してがらんどうになった部屋に入って、言いようのない寂寥感を感じる方は多いのではないかと思います。そういった微かで、しかし確実な変質の姿が良く捉えられているように思いました。

さて、この写真展を見に来たのは、写真集に納められている一室が「岡山ビル」のレジデンス「しかくの部屋」だからです。ものすごく自由で独特な間取りの部屋の中で、一体どんな生活をされていたんだろう、とずっと気になっていたので、「部屋」を「家」として良い感じに住みこなして頂いていた様子が見て取れて、設計者としても大変感激でした。

屋上緑化・テラスの様子


2年前にリノベーションした玉造のレトロなオフィス「岡山ビル」。今年の夏に屋上緑化を行いました。設計はいつもお世話になっているsojiの松下さんです。今日はお施主様も来られて、夏と秋の自動散水の設定を切り替えるとのことで、便乗して屋上の様子を拝見しました。

今年の酷暑と猛烈台風を何とか無事に乗り越えて、元気に草花が風にそよいでいます。製作したテーブルもワイルドかつ軽い雰囲気で気持ち良いです。

屋上広場が南北に分かれているので、北側は少し趣向を変えてお座敷的に使えるデッキ空間になっています。これはパーティーなんかにはもってこいですね。寝そべっても良さそう。

植木鉢をよく見ると植えていないはずの植物が色々。搬入した土や、風や鳥によって運ばれてきた雑草の種が芽生えたようです。都心にあってもたくましい雑草の姿に感心しました。

屋上緑化の調査

以前全面リノベーションを行った大阪市玉造の岡山ビル。更なる建物の価値向上と空きスペースの活用を目指して屋上の緑化計画を進めています。工事に向けて調査を行いました。上の写真は南側テラス。何もない殺風景な屋上がどのように変わるか、今から楽しみです。

 

こちらは北側テラス。斜め向かいはカトリック玉造教会。南北2つのテラスがあるので、少し趣の異なるスペースとして計画する予定です。

 

古ビルリノベの竣工後

玉造の岡山ビル。全室の入居者が決まり、フル稼働中です。早いもので竣工一年となり、お施主様・施工業者さんと一年点検を行いました。一年間の間に幾つか不具合が生じた箇所があり、既に対応を終えているので今日は大きな問題点はありませんでした。

 

竣工後に起こった不具合には、古ビル特有の現象がありました。今回は建物の中の排水管は全部交換したのですが、屋外に出てから道路に向けて走っている配管は古いままでした。するとその部分がピンポイントに、詰まったり漏水したり不具合を生じてしまいました。

 

工事前から問題があったものの建物内にたくさん問題箇所があったため目立たなかったり、利用者がほとんどいないため何とか耐えていたところがリノベーションによって急に負荷が掛かってパンクしてしまったり、ということのようです。

 

リノベーションでは、既存の設備を極力残してコストを削減したい思いが強くなるものですが、普段は難しい設備配管を更新するグッドタイミングと捉えて、一式更新するほうが後々のことを考えると得策、ということを改めて考えさせられました。

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名古屋モザイクデザインアワードの受賞式

名古屋モザイクデザインアワードの受賞式に行って参りました。社長さんから直々に賞状を頂き、恐縮。

 

 


受賞作である「岡山ビル」の解説中。今日は珍しくスーツです。

 

 


月刊商店建築の塩田編集長、他の受賞者の皆様、名古屋モザイクの方々と。

 

 

貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

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受賞:名古屋モザイクデザインアワード2017

 

昨年竣工した大阪市中央区のオフィスビル「岡山ビル」が名古屋モザイクデザインアワード2017の銅賞を受賞しました。

⇒受賞作品紹介

同賞は前回に引き続いての受賞となりました。華麗なライティングを行った訳でもなく、高級なタイルを大量に使ったり、特殊な使い方をした訳でもなく・・・という中でこうやって高い評価を頂くことは設計者として大変嬉しいことです。過分な評価を頂いた審査員の皆さま、形が均一でなく崩れやすい上海の古煉瓦を丹念に貼って頂いた施工関係者の皆さま、陰影と質感の豊かな写真を撮って頂いた笹倉くん、プロジェクトをお任せ頂いたお施主様に感謝いたします。ありがとうございます。

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岡山ビルが『MINI BUILDING 5』に掲載されました。

弊所設計の「岡山ビル」が韓国の建築書籍『MINI BUILDING 5』(A&C Publishing)に掲載されています。世界中の割とコンパクトな建築を集めた一冊です。

日本では簡単に購入できないようなので、どうやったら手に入るのか出版社に尋ねたら、ご親切に韓国からエアメールで完成品を一冊お送り頂きました。ありがとうございます。さっそく本棚に飾りたいと思います。

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「岡山ビル」の出来るまで

工事前の様子。いかにもレトロな「岡山ビル」。長年の風雨に晒され劣化がかなり激しいですが、何とか再利用したいものです。修復方法や取付方法を試行錯誤することになりました。

解体工事時に職人さんに頼んで保管してもらった「岡」。スクレイパーを使って既存の塗装を剥がしていきます。これが思いのほか重労働。ちょうど手伝いに来ていた学生くんの手も借りて、何とか綺麗な状態に戻せました。

元の状態に並べてみる。何となくフォントのバランスが気持ち悪い気がします。

横棒を水平に保ったパターン。何となくこちらのほうが疾走感があるような。

プレーンな状態に戻った文字は、樹脂製なのでこのままでは味気ない。真鍮スプレーでめっきを施します。

工事前は取り付け用ビスが露出した形状でしたが、折角なので格好良く取り付けましょう。文字より一回り小さく切り出した硬質ウレタンフォームを壁面にビス留めし、文字を接着してはめ込みます。台紙はそれぞれの文字をスキャンしてIllustrator上で再レイアウトしたもの。トレーシングペーパーに実寸で打ち出しています。

出来上がり。レトロ感を保ちつつ、ちょっとだけ以前よりシュッとしました(大阪弁)。長い闘いでしたが何とか無事に完成して一安心。

こういうニッチなデザインはお施主さまも、建設会社も、建築家も、看板屋も、誰もやらない地道で手間のかかる作業なのですが、だからこそやる価値があるのではないかと思っています。