岸和郎展

母校、京都工芸繊維大学で行われている岸和郎展に事務所みんなで行ってきました。工芸資料館に来るのもずいぶん久しぶりです。

その昔、本や雑誌で食い入るように見た模型やドローイングの数々が一堂に会しています。まさに至福のひととき。そして実現しなかった膨大な計画案やコンペ案・・・。どれだけ案が優れていても、奇蹟的な巡りあわせがなければ建築は実現しないということを。どれだけ苦杯をなめても挑戦し続けることの大切さを。改めて思い知らされると共に、勇気づけられるような思いでした。

展覧会のあとはもちろん、岸先生の設計したKIT HOUSEの食堂で昼食。学生だった頃にまだなかった建築が既にエイジングし始めているという受け入れがたい現実・・・。

さて20年前、やまもとが京都工芸繊維大学というマニアックな大学に行くことに決めたのは、ひとえに岸先生に師事したいが為でしたので、建築を始める前からのファンということになります。

早く実務を身に付けて独立したいという思いで大学院には進学しませんでしたが、学部での授業、そして設計課題や卒業制作を指導して頂いた時に垣間見た設計者としての厳しく鋭い視点、そして頂いた言葉の数々は深く心に残っています。今から思えば、大学院に行かなかったのも、尊敬する対象との距離が近すぎて辛い、という理由もあったように思います。地球に居れば心地良い陽の光も間近に浴びれば溶けてしまう。自分にとってはそういう存在なのかもしれません。その後色々な建築家の考えを学び、また直接教えを受けて今がある訳ですが、今でも岸先生とその建築、著作は自分にとって特別すぎる存在です。

大いに刺激を受けて、またコツコツと設計に励みたいと思います。

ウイリアム・モリスと愛でる家

奈良県立美術館で開かれている「ウイリアム・モリス展」に行ってきました。テキスタイルから家具、フォントデザインまで、関係人物や会社の変遷と共に様々な作品が展示されていて、楽しいのはもちろんのこと、大変勉強になりました。レッドハウス(旧モリス邸)のウォークスルーもあります。

私たちの事務所で数年前に設計させて頂いた「愛でる家」の2階書斎。カーテンはお施主様に選んで頂いたウイリアム・モリスの代表作「いちご泥棒」です。この作品のオリジナルも奈良県立美術館に展示されていて、感激でした。150年前のデザインが今でも現役で、身近にあることは素晴らしい事です。

奈良県立美術館 特別展「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」
2021年6月26日(土)-8月29日(日)
詳細は美術館のウェブサイトをご確認下さい。

さて、偶然時を同じくして、愛でる家ではメンテナンスを兼ねて若干の追加工事を行いました。建具調整や雨水側溝のしゅんせつに加えて、2階の空いた部屋の壁紙を一面だけ張り替えることになり、「これはウイリアム・モリスしかない!」ということで、お施主様にご提案しました。しかしウイリアム・モリスは本当にかわいい柄が多く、しかも色違いバージョンもあるので1つに選ぶ作業が大変です。何か取っ掛かりがないと・・・ということで、1階のギャラリーの襖紙に使った鹿児島睦さんの「ざくろ」に因んで、ざくろ柄を中心にピックアップしました。

一戸建て住宅リノベーション・古民家耐震改修の施工事例|愛でる家【山本嘉寛建築設計事務所YYAA】大阪・奈良・京都|建築家

愛でる家1階ギャラリー。京都「かみ添え」さんにお願いした襖紙。鹿児島睦さんのざくろ柄。

そして最終的に選ばれたのは「柘榴あるいは果実」。派手になりすぎてしまうかな・・と少し心配しましたが、大きな画面で見ても上品さを失わず、全く問題ありませんでした。いつまでも眺めていたくなる逸品です。後から調べると、鹿児島睦さんはウイリアム・モリスの影響を大変受けておられるそうで、なるほどなあと思いました。そしてこの柄も奈良県立美術館に展示されています。何とも数奇で幸運な巡りあわせです。

また一つ、「愛でる度」がUPした、愛でる家です。

暑い中、手直し工事にご尽力いただいた工務店の皆様、ありがとうございました。

鹿猿狐ビルヂング

今年の4月に奈良町にオープンした、鹿猿狐ビルヂングに行ってきました。既存の歴史ある建物と新しいビルとが調和した複合施設。なぜ、鹿猿狐ビルヂングという名前なのかと思っていたのですが、鹿がトレードマークの中川政七商店、猿田彦珈琲、すきやき店の㐂つね(きつね)が出店しているからだそうです。

階段のディテールがシンプルかつ複雑でかっこいいです。

丸みがあってかわいいサイン。

3階は、コワーキングスペースとなっており、興福寺や猿沢池を望めるなんともぜいたくなスペース。

こんなところで仕事ができたら最高ですね。

既存の蔵を生かしたギャラリースペース時蔵には、中川政七商店の歴史を描いた屏風、壁面には毎年の成果物を資料として保存している桐箱がずらりと並んでいます。

床は集成材をカットしたものをブロック状にして、敷き詰めていました。

久々にならまちを歩いているとカフェや雑貨屋さんがたくさんできていたので、またふらっと散策に行きたいです。

オープンデスク2021春

3月から4月にかけて、オープンデスクの大学生が1名事務所に来ていました。設計事務所の色々な業務と日常に触れながら、課題に取り組んで頂きました。奈良県御所市の新築現場はちょうど佳境にさしかかり、見学にはもってこいの状態です。

奈良県橿原市の古民家改修。模型写真撮影のお手伝い。こちらはその後、実際のお施主様プレゼンにも同席。

古ビル実測調査の見学とお手伝い。

今回の課題はプレゼン前の新築住宅のプランニングでした。考えた図面や文章をプレゼンシートにまとめて、最終日はスタッフにプレゼン。緊張したそうです(そりゃそうだ)。なかなか学生の間に現実的な条件の住宅を考える機会はないので、苦戦したようですが何とか形になりました。その「思うようにいかない感」を大切に、さらに頑張ってほしいと思います。

山本嘉寛建築設計事務所では、建築設計職に就職を希望する大学生・大学院生・既卒者を対象としたオープンデスク・インターンを受け入れています。詳しくは下記をご覧ください。

https://yyaa.jp/contact/open-desk-internship/

応急危険度判定士の更新

被災建築物応急危険度判定士の更新があり、新しい資格証が届きました。地震等の災害時に現地に乗り込んで、被害を受けた建物の安全性をを簡易的に判定する資格です(保険用の全壊判定とは異なります)。建築士なら誰でも持てる資格なので、10年前、軽い気持ちで登録したものです。

講習会の際に、実際運用されるケースは稀だろうなあとぼんやり思ったものですが、そのあとすぐに東日本大震災が起こって現実に招集がかかり、これは大変責任が重い資格だぞと思い知らされることになりました。その後、熊本の大地震でも派遣要請がありましたが、普段の業務を止めて余震の続く現地に向かう事はなかなか出来ません。実際に判定にあたられた方々の覚悟と使命感には頭が下がります。

東日本大震災から10年、まだ余震もありますし、つい先日は関西でも大きな地震がありました。遠方の被災地まで赴くことは難しいですが、自分たちの街が被災した時を想像すると、やはり自分の職能の中で役に立てることがあるならお手伝いするだろうなと思います。普段、古家と格闘している事も、非常時には何かの役に立つかもしれませんね。

第4期終了

神戸松蔭女子学院大学の今年度授業が無事に終わりました。今年はコロナの影響で多くの授業がリモート化される中、やまもとの担当は「実習」ということで、例年通り対面形式で全て行うことが出来ました。様々なソフト・ハードのシステム構築に奔走して頂いた先生・事務の方々には頭が下がる思いです。

今年は例年に比べると受講生が少なかったのですが、皆大変熱心に課題に取り組んでくれました。年末年始に休みが続いて、課題の進捗にやきもきした時期もありましたが、無事に全員形として提出することが出来、ほっと一安心。なかなかの力作揃いとなりました。

来年度も引き続きインテリア・コーディネートの授業を担当します。まだ先行き不安な状況ですが、どんな形でも対応できるよう、準備を進めたいと思います。

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

本年が皆様にとって希望に溢れる1年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

2021年元旦

Photo by Yohei Sasakura

YYAA works 2020

2020年は全ての人々にとって苦難の一年となりました。わたしたちの事務所でも4〜5月はリモートワークとなり、慣れない環境の中でクラウドやウェブチャットを駆使しながら何とか業務をつなぎましたが、普段の業務スピードよりどうしても時間を要してしまい、関係の皆様にご迷惑をおかけすることになってしまいました。この場を借りてお詫び申し上げます。また、そんな中でもご協力頂いた建設会社やデザイナーの皆様、新たな住まいに希望を抱きご相談頂いたお施主様の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。では2020年度の業務プレイバックに参りましょう。

片岡山の家|奈良県北葛城郡王寺町

I様邸|大阪市都島区

K様邸|奈良県大和郡山市

岡山ビル外装リノベーション|大阪市中央区

I様邸|奈良市

U様邸|奈良県御所市

H様邸|兵庫県芦屋市

N様邸|京都市左京区

T様邸|奈良市

まだまだ先行きが見えない状況ですが、今年見えてきた様々な問題を改善して、新しいことにもどんどんチャレンジして行きたいと思っています。どうぞ皆様ご健勝であられますよう。良いお年をお迎えくださいませ。

年末年始休業のお知らせ

恒例のkatamariワックスがけも終わり、2020年の仕事納めとなりました。山本嘉寛建築設計事務所は誠に勝手ながら下記の期間、冬期休業とさせて頂きます。

2020年12月30日(水) ~ 2021年1月6日(水)

ホームページからの建築相談は休業中も受付けしておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

http://yyaa.jp/contact/design-consulting/

今年も大学の授業が始まりました

今年も神戸松蔭女子学院大学での授業が始まりました。前期科目は新型コロナウイルスの影響でほぼ全て遠隔授業となっていましたが、後期科目は、演習・実習など一部の授業については対策を講じた上で対面授業も可能になりました。やまもとの担当している授業も通常通りの対面授業を行えることになり、ひとまず安心です。

今年はコロナの影響か履修生が少なめですが(履修登録は春先に済ますため)その分充実した授業になればいいなと思っています。

 

夏季休業のお知らせ

暑中お見舞い申し上げます。山本嘉寛建築設計事務所では誠に勝手ながら下記の期間、夏期休業とさせて頂きます。

2019年8月9日(日) ~ 8月16日(日)

暑い日が続きますがどうぞ皆さまご自愛の上お過ごし下さい。(写真:琵琶湖 松原水泳場)

京都の建築巡り:京都市京セラ美術館

 

今年の5月にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館に行ってきました。

近づいて行くとまず目に入るのは、入口への長く緩やかなスロープ状の広場。遠くからだとほとんど見えず、既存の建物を邪魔することない自然なたたずまい。

現在コロナの影響により予約制なので、待ち時間の間に建物の周りを散策しました。

 

コンクリート打ち放しの外壁に真鍮の板?を張り付けた外観の東山キューブ。今回の工事で増築された部分です。

 

テラスからは美術館の庭園や街並みが見渡せます。晴れていればもっと気持ちよさそうです。

 

中に入るとエントランスは古いレンガ部分と新しい白い部分とが調和しており落ち着いた雰囲気。まずは美術館内のカフェENFUSEでランチ。彩り豊かで食べるのがもったいないくらいです。

 

ショップの様子。

 

 

アーティストの展示をめぐりつつ、建物内を散策。場所によって空間の雰囲気が全然違います。

 

中央ホール。なめらかな螺旋階段が美しいです。

 

光の広間。鬼頭健吾さんの作品が展示されていました。

 

東エントランス。庭園を眺めながら一息。杉本博さんの企画展をゆっくり観ました。

 

久々の建築巡り、見どころ満載でした。また頑張らねば。

 

 

オープンデスク2020

3月は建築を学ぶ大学生が1人オープンデスク(インターン)に来ていました。CADやグラフィックソフトの練習、塗装色の検討、パンフレット作成、現場見学、建築めぐり、最後には実際の計画を元に案を考えてシートにまとめ、所内でプレゼンしてもらいました。

特に都島区I邸は大阪市内ということもあり、毎週の現場定例会議に同席して工事の進捗を見てもらうことが出来ました。

所内でのプレゼンの様子。3月はちょうどたくさんの現場が動いていたので、色々な物件を見比べたり、建築が出来ていく様子を順番に見ることができてよかったのではないかなあと思います。これからもぜひ頑張って欲しいです。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ウェブ建築相談窓口を開設しました。

この度山本嘉寛建築設計事務所では、ウェブ上での建築相談窓口を開設しました。全国的な新型コロナウイルスの感染拡大のため気候が良くても外出が難しい情勢ですが、じっくり建築を考えるには良い機会と捉えて、是非ご相談をお寄せください。Skype、Zoom、Microsoft Teamsに対応しております。ウェブ打合せが希望だがやり方がよく分からない・・・という方もお気軽にどうぞ。私たちもまだ不慣れなので、一緒に色々試しながら、新しい建築のつくり方を考えられれば素敵だと思います。通常の対面でのお打合せや出張打合せも引き続き受付中です。

 

不安な日々が続きますが、どうぞ皆様ご自愛の上、希望を持ってお過ごしください。

 

ご相談のお申込みは下記からどうぞ。
http://yyaa.jp/contact/design-consulting/

山本嘉寛建築設計事務所 山本嘉寛

建築遠足

今日は事務所のみんなやオープンデスク(インターン)の学生と、眞野サトルさんが設計した建築のオープンハウスに行ってきました。施工は三笘工務店さん。うちの事務所でもいつもお世話になっている工務店さんです。建物は製造関係の会社のオフィスですが、2階にコンテナが建物に突き刺さっています。何とも不思議な外観です。コンテナの扉は実際に開閉できるそうです。

室内の様子。

スチール製の扉もかっこいいです。他の設計事務所の建物を見学できる機会はあまりないので、貴重な経験となりました。

オープンハウスのあとは茶臼山にあるYARDというカフェへ。内外とも落ち着いた色でまとめられていておしゃれです。平日ですが大勢の人で賑わっていました。

珈琲なのですが珈琲ではないような、今まで飲んだことのないような味わいでとても美味しかったです。

第3期終了。

神戸松蔭女子学院大学で担当している実習課題が終わりました。早いもので今年で3年めとなり、ようやく限られた時間・場所の中で出来ること/出来ないことの整理が出来て、スムーズに課題を指導できるようになってきたように思います。今年も昨年に引き続き、神戸市内の実際に存在するホテルのスイートルームを下敷きに、各自が設定した「〇〇のような部屋」というテーマに基づいて内装を設計してもらいました。同じ平面図を基にしているのに全然違う方向性の作品へと成長していく姿が非常に楽しく、また我々実務が染みついている人間には到底思いつかないようなアイデアに唸らされることも多々あります。

今年も昨年に引き続き、オープンキャンパス等で展示して頂けることになりました。また次年度に向けて、更なるバージョンアップを図りたいと思います。

上手工作所さんの新店舗

いつもお世話になっている家具・金物屋さん、上手工作所の新しい店舗&工房に伺いました。前はいかにも東大阪の金物屋さんという風情だったのですが、今度の拠点は大阪府豊能町。緑豊かで隣には川が流れているという好立地です。しかも大阪市内からのアクセスも結構便利。

 

内・外ともかなりの割合がセルフ工事ということで、苦労話も色々お伺い出来ました(ビル一棟は普通の人間がDIY出来る規模ではありません)。

 

広い店内に様々なパーツが充実。棚受けや手摺など、実際に手に取って比べられると非常にありがたいです。

 

まさかのセルフ製作階段!

 

2階は打合せスペースと家具関係。キッズスペースも充実していました。うちの子も大はしゃぎ。

 

ついでにお隣の工房も少し見学させて頂きました。スペースが広いと、ものづくりの幅が広がりますね。今後ともよろしくお願いします。

 

⇒上手工作所さんのウェブサイトはこちら。

謹賀新年

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
本年が皆様にとって希望に溢れる一年となりますよう心からお祈り申し上げます

2020年1月吉日